動画フレームレートとは?|用途別の設定ポイント・メリット、リフレッシュレートとの違いを解説

動画編集をしていると、フレームレートの設定をする機会があります。ここでフレームレートの設定を間違ってしまうと、優れた内容の動画でも見にくくなったり、扱いにくくなったりする恐れがあるのです。この記事では動画編集を始めたばかりの方向けに、フレームレートについての基礎知識と用途別の目安を紹介しましょう。

これから動画制作を始めたいと考えているのなら、ぜひ参考にしてください。

目次

フレームレート(fps)とは

フレームレートとは、動画の滑らかさを決定する数値で、fpsという単位で表します。動画はパラパラ漫画のように複数の画像を連続して見せることで動いているように見え、1秒の中に何枚の画像が含まれているかを表す数値がフレームレートです。フレームレートの違いによって、動画の動きは変化します。5秒間のパラパラ漫画で、10枚のページをめくるのと、100枚のページをめくるのでは、その動きに差が出るのと同じだと考えれば良いでしょう。

動画は、フレームレートが高いほど滑らかで自然な動きになり、少ないほどカクカクとした不自然な動きになるのです。つまり、フレームレートの数値が動画の仕上がりを変えてしまうということです。

「フレームレートの数値」と「動画の滑らかさ」

ここからはフレームレートが変わることで、動画の滑らかさにはどのくらいの差が出るのか、「100m走を10秒で走る人の動画を撮影する場合」を例に説明しましょう。

・フレームレート1fps
100メートルを10枚の静止画で撮影することになり、次の画像に進むと前の画像より10m進みます。
・フレームレート5fps
100メートルを50枚の静止画で撮影することになり、次の画像に進むと前の画像より2m進みます。
・フレームレート30fps
100メートルを300枚の静止画で撮影することになり、次の画像に進むと前の画像より0.3m進みます。

フレームレートを変えることで、これだけの違いがあるのです。今回のような動きの早いものを撮影対象とした動画では、1fpsや5fpsのフレームレートを設定すると、カクカクとした違和感のある仕上がりになってしまうでしょう。

フレームレートの数値を高く設定するデメリット

先ほどまでの説明を読んで、最も高いフレームレートを設定して動画を撮影すれば、より美しい動画が撮影出来ると感じた方もいるでしょう。しかし、人間の目は一定の数値以上のフレームレートの違いを見分けられません。30fpsと60fpsの違いに気づく人は多いですが、60fpsと120fpsの違いを感じられる人は少ないのです。

この感覚には個人差がありますが、フレームレートを高く設定しても期待する効果が得られない可能性が高いということです。さらに、高過ぎるフレームレートの設定には下記のようなデメリットがあることを知っておきましょう。

デメリット1 データ容量が大きくなる

フレームレートが高くなるほど動画の中に含まれる画像の数が増えるため、それだけデータ容量も大きくなります。容量の大き過ぎる動画は扱いにくく、視聴環境によってはスムーズに再生出来ないこともあります。さらに、編集作業やアップロードに多くの時間がかかってしまうでしょう。

デメリット2 ファイルの容量不足で画質が劣化する

動画ファイルの容量を低いままフレームレートだけを高く設定すると、1つの画像の画質を落として動画を容量以内に収めなくてはいけなくなります。その結果、画質の悪い動画になってしまうのです。滑らかな動きの動画でも、画質が悪いのでは美しい仕上がりになりません。

用途別のフレームレートの数値設定

高過ぎるフレームレートを設定するデメリットについて説明いたしました。つまり、フレームレートは用途に合わせてな最適な数値を設定する必要があるということです。ここでは用途別のフレームレートの目安をお伝えしましょう。

①YouTube

YouTubeでは、アップロードする動画のフレームレートを24〜60fpsの範囲で推奨していますが、それ以外のフレームレートも使用可能です。配信を目的とする動画であれば、30fpsか60fpsを選択する方が多いでしょう。シネマライクな動画を作りたい場合には24fpsを選択し、その雰囲気を高めるという方法もあります。

②web会議

Web会議は、基本的にあまり動きがない映像になるため、15fps程度のフレームレートが選ばれることが多いです。テレビや動画と同じくらいの動きを求めたいという場合には、30fpsに設定すると良いでしょう。しかし、あまり高いフレームレートを設定しすぎてしまうと、動画がフリーズしてしまうなどの問題につながるため、参加者のパソコン端末のスペックやインターネット回線の状況に合わせて柔軟な対応をする必要があります。

③ドライブレコーダー

ドライブレコーダーに高い動画品質を求める方は少ないと思いますが、フレームレートが低過ぎると車の動きを撮影し切れず、いざという時の証拠として活用出来ない恐れがあります。そのため、30fps以上のフレームレート数値で撮影が可能なものを選ぶと良いでしょう。現在は60fpsのドライブレコーダーも増えていますが、フレームレートが高くなると動画容量も大きくなってしまう点も踏まえて、商品選びをするようにしてください。

④防犯カメラ・ネットワークカメラ

テレビなどで防犯カメラの映像を確認すると、カクカクした動きをしていると感じたことはありませんか?その理由は、防犯カメラは常時録画を目的としているため、3~5fpsなど低いフレームレートを設定しているものが多いからです。しかし、最近は高いフレームレート・解像度でより分析しやすい映像を録画出来るカメラも増えてきました。

室内で人物の動きを撮影することを目的としているのならば高いフレームレートは不要ですが、駐車場や屋外で早い動きをするものを撮影する場合には、30fps程度のフレームレートが必要でしょう。

フレームレートとリフレッシュレートの違い

フレームレートと似た言葉としてリフレッシュレートというものがありますが、この2つは全く異なる意味を持っています。先ほども説明したように、フレームレートは1秒間に何枚の画像が含まれているかという数値ですが、リフレッシュレートは液晶ディスプレイが1秒間に更新する画像の数を指します。その単位はHzで表示され、フレームレートと同じように数値が高ければ滑らかな動画に、低ければカクカクした動画になるのです。

どんなに高いフレームレートの動画でも、液晶ディスプレイのリフレッシュレートが低ければ、滑らかな動きの動画を視聴することは出来ません。リフレッシュレートは主に、滑らかな動きが求められるゲームのためのゲーミングモニター選びをする時に注目されるポイントです。

フレームレートと違い、リフレッシュレートが高過ぎることによるデメリットは少ないですが、液晶ディスプレイはリフレッシュレートが高いものほど高額になる傾向があるため、用途に合わせて検討するようにしてください。

まとめ

動画制作時に欠かせないフレームレートの知識をお伝えいたしました。フレームレートは高過ぎても低過ぎても動画の仕上がりを悪くしてしまいます。フレームレートについての知識を深め、自分の動画に合ったフレームレートの設定をしてください。

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