セールスとマーケティングの連携が難しい理由とは?連携方法を解説

「セールス」と「マーケティング」にはその意味や目的に大きな違いがありますが、それぞれの違いが理解出来ておらず、同じようなものだと思っている方もいるようです。
両者の違いが分からなければ、セールスとマーケティングの連携が難しくなってしまいます。セールスとマーケティングを連携させることが出来れば、企業は売上を向上させたり、新しいアイデアが生まれたりするなど多くのメリットを得られるでしょう。

この記事では、セールスとマーケティングの違いと両者を連携させる方法を説明しますので、ぜひ参考にしてください。

目次

セールスとマーケティングの違い

まず、セールスとマーケティングの意味と両者の違いについて分かりやすく説明します。
それぞれの違いを理解した上で、セールスとマーケティングを連携させる方法を考えていきましょう。

セールスとは

セールスとは文字通り「売ること」を指しています。

事業は、セールスによって商品やサービスを顧客に提供することによって成立するため、セールスがなければ事業を存続出来ません。

セールスの具体的な内容は、店頭販売や営業販売などが該当し、その範囲は会社によって変わります。

マーケティングとは

マーケティングとは「売るための作戦」のことです。

自社の商品やサービスを誰に・どのように・いくらで提供するのかなど、戦略を立てる行為をマーケティングと言います。

セールスとマーケティングの順番

一般的にはセールスよりもマーケティングが先に実行されるものですが、マーケティングが省かれてセールスが先行しているパターンもあります。

マーケティング戦略を立案するプロセス

マーケティングは商材を売るための戦略を立てることです。そのためには、商材を起点として売り方を考えるのではなく、顧客のニーズを起点とした戦略が必要になります。セールスとマーケティングの連携を考える前に、マーケティング戦略を立案するプロセスを確認しておきましょう。

①市場分析を行う

マーケティングのスタートとして、市場分析を行います。

市場分析には、外部環境と内部環境の調査を行うための3C分析、外部環境を調査するPEST分析、自社の戦略目標を導き出すSWOT分析などのフレームワークを活用することが多いです。

②市場を細分化する(セグメンテーション)

市場分析後は、市場を年齢・性別・所得・職業・国・地域などに細分化していきます。

市場分析と細分化を行うことで、商材のターゲットを明確に出来るのです。

③ターゲットを決める(ターゲティング)

市場の細分化で明確になった顧客像が商材のターゲットになります。自社の強みを生かすためには、競合他社の存在も調査する必要があるでしょう。

セグメンテーションとターゲティングは混合されがちですが、セグメンテーションが「分類」であるのに対してターゲティングは「分類の中の誰がターゲットか」をより分かりやすくする工程だと考えれば良いです。

④立ち位置を決める(ポジショニング)

先ほどの工程で決定したターゲットに自社の商材を認識し選択してもらうためには、競合他社との差別化を図る必要があります。

競合と重ならない独自性のある商品やサービスを提供すれば、優位な位置に立つことが出来るでしょう。

⑤マーケティングミックスを行う

ここまでのステップで決定した内容をもとに、顧客にアプローチする方法を組み立てていきます。

4Pと呼ばれるフレームワークを使い、製品(Product)・価格(Price)・流通(Place)・プロモーション(Promotion)の複数の要素を組み合わせます。

⑥実行と評価

完成したマーケティング戦略を実行するステップです。マーケティング戦略の実行後は、定期的な評価と戦略の修正が必要になります。

セールスとマーケティングの連携が難しい理由

多くの企業では、セールスとマーケティングの連携が難しいと感じているようです。なぜ両者の連携は困難なのでしょうか。その理由について詳しく説明しましょう。

理由1 必要な能力が異なる

セールスとマーケティングの仕事は役割が異なるため、求められる能力も違います。

具体的には、マーケティングはデータ分析や戦略作成が主な業務であり、デスクワークが中心になることから論理的思考が求められます。それに対してセールスは、顧客への営業活動が業務の中心で、コミュニケーション能力や交渉力が求められます。

業務内容だけでなく求められる能力にも大きな違いがあることが、両者の連携が難しい原因の一つです。

理由2 目的と考え方が異なる

セールスとマーケティングは業務に対する目的と考え方が異なります。

セールスは「いかに売り上げを上げるか」を考えた比較的短期的な活動を行っているのに対し、マーケテイングは長期的にデータ分析や戦略作りを進めています。

セールスから見れば、マーケティングに対して「売り上げに貢献していない」「生産性が低い」という印象を持つ方もいます。逆に、マーケティングはセールスが動くまでに長い準備期間を設けて売れる仕組みを用意するため、セールスを「クロージングするだけ」「短絡的」と考えてしまうことがあるのです。目的と考え方が違えば、連携して同じ目標を持つことが難しくなるでしょう。

セールスとマーケティングの連携方法

セールスやマーケティングは、先ほど説明したような理由から連携が難しく、お互いに高い壁を作ってしまう場合もあります。しかし、両者が連携すれば、顧客の声を反映したマーケティングやマーケティングを有効に使ったセールスが行えるようになるのです。

ここからはセールスとマーケティングを連携させる方法について説明しましょう。

1 同じKPIを設定する

KPIは、定めた目標の達成度合いを評価する指標のことです。多くの業務にはKPIが設定されているものですが、セールスとマーケティングのKPIが別のものであれば、それぞれが目指す方向が変わってしまいます。

例えば、セールスは売り上げが評価され、マーケティングではリード数や質が評価されるようでは、両者の連携は困難でしょう。同じKPIが設定されれば、セールスとマーケティングは連携して目標に進めるようになります。もちろん業務内容が異なるため、全てのKPIは統一出来ませんが、いくつかのKPIを統一すると良いでしょう。

2 ペルソナとカスタマージャーニーの作成や共有を一緒に行う

ペルソナとはターゲットをより具体化したもので、カスタマージャーニーとはペルソナの購買意思決定までのプロセスのことを指しています。

多くの企業ではペルソナとカスタマージャーニーの決定をマーケティングのみで行っていますが、セールスもその工程に携わるようにしましょう。

マーケティングとセールスが共同でペルソナとカスタマージャーニーを作成すれば、「誰にアプローチするのか」「ターゲットはどのようにして自社の商材を購入するのか」が共有でき、お互いの連携が進みやすくなります。

まとめ

セールスとマーケティングは、その業務内容や考え方の違いから連携が難しいとされていますが、売上を上げるためにはセールスとマーケティングの連携は必要不可欠です。セールスとマーケティングが連携されている状態を「スマーケティング」と呼び、スマーケティングが成功すれば売上を向上させることができるでしょう。

そのためには、セールスとマーケティングを別々のものと捉えるのではなく、どちらも売上を向上させるための営業活動の1つと考え、営業活動全体の最適化を図る意味で、両者の連携を進めるといいでしょう。その際には、営業ツールやセールスイネーブルメントツールなどのツールも有効活用し、円滑に連携を進められるような環境を整えましょう。

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