テストクロージングとは|質問するだけではダメ!?3つのコツを解説

商談において、顧客の温度感を確かめながら、より効果的なアプローチをするための手法にテストクロージングというものがあります。適した方法でのテストクロージングは、商談の最終フェーズであるクロージングにおける成約率アップにも繋がります。

今回は、テストクロージングに着目し、その概要やメリット、タイミング、コツなどを詳しくご紹介しましょう。

目次

テストクロージングとは

テストクロージングとは、商談の途中で「どれくらい購買の意思があるのか」を顧客に確かめる営業テクニックのひとつです。テストクロージングで顧客の意思や温度感を確かめることで、営業担当はその後のトークの方向性を決めやすくなります。顧客が懸念点を抱えている場合には、その懸念を払拭するトークを行い、商談の最終フェーズにあたるクロージングの成功に繋げることが可能です。

テストクロージングのテクニックを身につけ、営業トークの中で自然に用いることができるようになれば、商談の成約率を高めることができます。

テストクロージングのメリット

テストクロージングは、営業担当にとっても顧客にとってもメリットのあるプロセスです。テストクロージングによって得られる3つのメリットについて見ていきましょう。

メリット1 顧客の懸念を払拭できる

テストクロージングでは、「ご希望はありますか?」「不明点はないですか?」などといったように、顧客に対し問いかけを行います。この問いかけに対する顧客の返答によって、営業担当は顧客がどの部分に引っ掛かりを感じているのか知ることができます。

テストクロージングで顧客の抱える懸念点や疑問点を把握すれば、クロージングに映る前に説明を追加したり対処法を提示したりして、それらを解決することが可能です。懸念点や疑問点が解消されることで顧客の購買意欲は高まり、商品購入の前向きな検討が期待できます。

メリット2 自信を持ったクロージングができる

テストクロージングでは、顧客の購買意思や商品に対する温度感を知ることができます。顧客が懸念点を持っていた場合も、テストクロージングの時点で把握すれば、結論を出す前に解決することができます。

このように、本当のクロージング前に顧客の意思や温度感を知り、懸念を解決しておくことで、営業担当は自信をもってクロージングプロセスに入ることができます。

メリット3 顧客に安心感を与えられる

テストクロージングは、顧客にとってもメリットのある手法です。
最終結論を迫られる前に、営業担当が懸念点や疑問点の有無を聞き、解決してくれるからです。段階ごとにテストクロージングを行えば、顧客は懸念事項を溜めずに解決でき、商品に対する理解を深めていくことができます。

また、テストクロージングでは「不要なら断ってくれていい」ということを営業担当から顧客に伝えることも効果的です。この言葉によって、顧客は安心して説明を聞くことができ、営業担当に対する信頼も深まります。

テストクロージングの適切なタイミング

テストクロージングは適切なタイミングで行うことが大切です。
商談の中には、複数の合意ポイントが生まれます。テストクロージングは、この合意ポイントごとに行うのが理想です。ポイントごとに顧客の意思を確認することで、顧客の温度感を確かめたり懸念点を解決したりしながら、着実に商談プロセスを進めていくことができます。

具体的な合意ポイントの例を挙げます。

テストクロージングのタイミング例
・商品やサービスの説明前
・商品やサービスの説明後
・プレゼンをした後
・金額を提示する前
・顧客からの反論や意見を受け付ける前
・クロージングの前

商品説明やプレゼンの後は、テストクロージングに適したタイミングです。「ご希望に合っていますか?」「不明点はありますか?」と相手の意思を聞き、懸念がある場合は都度解決していきます。

また、商品説明やプレゼンの前も、テストクロージングのタイミングのひとつです。商品説明・プレゼン前のテストクロージングでは、「どのような条件が揃えば購入しようと考えていますか」と購入条件を聞きます。テストクロージング後、顧客の挙げた条件を満たす説明やプレゼンをすれば、顧客には購入を拒否する理由がなくなり、購入へと誘導しやすくなります。
金額提示前も同様で、顧客の条件を聞いてからその条件に合う金額を提示することで、成約の可能性は上がります。

ただし、あまりに何度もテストクロージングされたのでは、顧客はうんざりしてしまいます。テストクロージングは、商談ごとにポイントを絞って行うようにしましょう。

テストクロージングのコツ

テストクロージングは、無闇に質問を投げかけて強引に顧客を購買へと誘導すればいいというものではありません。顧客に納得して購買を決めてもらうには、コツを押さえたテストクロージングを行う必要があります。
ここでは、テストクロージングに必要な3つのコツについてご説明します。

コツ1 相手に不快感を与えないよう言い回しに気をつける

テストクロージングでは、率直に顧客の意思を聞いていくため、一歩間違えると相手に不快感を与えるような失礼な表現になりがちです。

例えば、「契約しますか?」「買いますか?」などと営業担当に直接的すぎる言い方をされては、顧客はいい気がしないでしょう。
「説明内容はいかがでしたか?」「ご提案した解決策についてどう感じられましたか?」など、失礼のない表現で顧客の意思を確認するのが、正しいテストクロージングです。

テストクロージングの際には、言い回しに気をつけ、言葉にする前に「自分ならどう感じるか」「他の言い回しはないか」などよく考えるようにしてください。

コツ2 曖昧な表現で質問しない

「このサービスは良いと思いますか?」「この商品があれば便利ではないですか?」などという問いかけは、相手の反応を曖昧にしてしまいます。このような問いかけは決定力に欠けるため、「良いと思うけど、うちの会社には必要ない」「便利だと思うけど、今のままでも大丈夫」などと断られてしまう可能性が高くなります。

「この商品を使ってみたいと感じられましたか?」「価格が予算に見合えば、購入したいと思われますか?」など、商品の使用や購入という具体的な行動に対する顧客の意思を問うことで、顧客の本当の温度感は把握できます。

コツ3 重要ポイントを顧客に確認する

テストクロージングは、より良いクロージングのために行うものです。テストクロージングを最終的な成約につなげるためには、テストクロージングの問いかけの中で、顧客に重要ポイントの確認を行っておく必要があります。
例えば、以下のような点が重要ポイントにあたります。

・顧客が商品の価値を正しく理解しているか
・顧客が価格に納得しているか
・顧客が商品を購入する意味を感じているか
・顧客にこのタイミングで商品を購入する理由があるか
・顧客が担当の営業担当から商品を買う意味を感じているか

テストクロージングでは、ただ思い付いた問いかけをするのではなく、上記のようなポイントを確認するための問いかけを行うことが重要です。重要ポイントに顧客が納得していれば、企業にとっても顧客にとってもメリットの高い成約が見込めます。

まとめ

テストクロージングは、商談を確実に成約へと繋げる手段として有効です。
オンライン商談が増加傾向にある現在においては、画面越しでの相手との綿密な意思疎通を図るためにも、テストクロージングが役立つでしょう。

また、テストクロージング同様、顧客の温度感を把握できるツールとして、セールスイネーブルメントツールの活用も進んでいます。セールスイネーブルメントツールは、顧客に営業資料を送付したりその情報を分析したりすることで、顧客の興味対象や温度感を可視化し、最適な営業アプローチを可能にします。
成約率アップを目指すなら、セールスイネーブルメントツールの導入を検討するのもひとつの方法です。

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