営業ロープレとは?目的と種類、メリット、ポイントを解説

営業ロープレは、営業ロールプレイングの略。実際の営業活動をスムーズに進めるために必要な練習で、多くの営業担当が営業を学ぶ際に経験したことがあるでしょう。営業ロープレを繰り返すことにより、どのような顧客との商談にも自信を持った対応が行えるようになります。

この記事では営業ロープレの基本的な知識と、営業ロープレをより効果的なものにするためのポイントを紹介しましょう。営業担当の育成方法や効果的な営業ロープレの導入を考えているのなら、ぜひ参考にしてください。

目次

営業ロープレとは

営業ロープレとは、「営業活動のロールプレイング」を略したものです。営業の予行練習という意味を持っており、営業中に起こり得る状況を想定したロールプレイングでの練習を繰り返します。

営業ロープレの参加者は、机上の知識よりもずっと実践的な営業の知識や技術が手に入るでしょう。

営業ロープレの目的

営業ロープレは商談の質をより良いものに変化させ、結果的に成約率を向上させることを目的としています。

座学などの教育によって営業に必要な知識を十分持っているとしても、実践で使えないのでは意味がありません。営業ロープレは知識を実務的な技術に変えていくという目的もあるのです。

参加者は営業ロープレによって、ただ自社の商品やサービスをアピールするのではなく、顧客の課題を見つけて解決案を提案したり、顧客と深い信頼関係を築いたりするための技術が身につけられます。

営業ロープレの種類

営業ロープレにはいくつかの種類があります。
練習時の環境、参加者の人数、自社の営業スタイルに合わせて、最適な営業ロープレを実施するようにしましょう。

①ケース型

ケース型ロープレは、最も一般的な営業ロープレの方法です。
顧客の業種、状況、課題などを予め設定し、参加者を顧客側と営業側に分けて、一対一またはグループで営業ロープレを実施します。

ロープレでは実際の営業活動と同じように、以下のとおり段階ごとに話を進めていきましょう。

1 アポ獲得
2 ヒアリング
3 提案・商談
4 クロージング

全ての段階を一連の流れにして覚えるため、より実践的な訓練になります。

②グループワーク型

グループワーク型では、初めに参加者をグループに分け、グループごとに役割を交代しながら営業ロープレを繰り返します。

ロープレの流れはケース型ロープレと同じですが、お互いのフィードバックを行いながらロープレを進めれば、良い点や悪い点を改善し合うことが出来るでしょう。

③モデリング型

モデリング型の営業ロープレでは、多くのノウハウを持つ見本とするべき営業担当の商談シーンを再現します。

このような方法であれば、本来共有が難しい営業技術を共有しやすくなるでしょう。

④過去事例型

過去に発生した事例をテーマとして営業ロープレを実施する方法です。
例えば「契約直後に顧客から解約を求められた場合」「顧客から想定外の値引きを求められた場合」などの過去事例を参考にし、営業ロープレを実施します。営業ロープレのフィードバック時には、実際にどのような対応したのかも共有するといいでしょう。

過去事例の成功例と失敗例の両方を共有することで、参加者の課題解決力や対応力が鍛えられます。

営業ロープレを実施するメリット

営業ロープレを行うことで、多くのメリットを得られます。ここから代表的なメリットを紹介しましょう。

メリット1 現場のイメージに慣れる

経験不足の営業担当の多くは、なかなか商談に慣れずに緊張してしまうことがあります。そのような状態では、スムーズな商談は難しくなってしまうでしょう。

営業ロープレでは営業に必要な知識と技術が身につくだけでなく、ロープレによる訓練によって、現場のイメージが掴みやすくなるのです。営業に対する知識は座学でも学ぶことが出来ますが、インプットのみで手に入れた知識は実務的とは言えません。

営業ロープレにてインプットとアウトプットを繰り返すことで、より実務的な知識が身につき、自信を持った提案が出来る営業担当が育てられるでしょう。

メリット2 自分の課題が明らかになる

座学のみの教育では、指導者は営業担当個人が抱える課題を見つけることが出来ません。言葉遣いや仕草など、自分では気づけないような課題が改善されないままでは、顧客に悪いイメージを与えてしまう恐れがあるでしょう。

営業ロープレでは、そのような課題が浮き彫りになり、指導者から営業担当一人ひとりに向けて最適な指導が出来るのです。

メリット3 自分の強みを営業に活かせるようになる

営業にはいくつものタイプがあります。
自信を持って力強い営業を行う体育会系営業、柔らかい物腰で謙虚な態度の営業を行う奉仕型営業、データ分析から戦略的な営業を行う戦略型営業などのタイプがその具体例です。

営業ロープレを行うことで、自分自身がどの営業タイプに適しているかが分かり、自分に合った営業スタイルでより効果的な営業を進められるようになるのです。

営業ロープレを実施する際のポイント

営業ロープレで、より多くの成果を得るために知っておくべきポイントを紹介します。ポイントを理解し、効果的な営業ロープレを実施しましょう。

ポイント1 ゴールを明確にする

何を身につけるために実施するロープレなのか事前に明確にしておきます。
例えば「商談のための基本的な営業の流れを学ぶ」「クレーム対応のための対応力を身につける」など、目的によってテーマにするべき内容が変わるでしょう。設定したゴールは指導者、参加者で共有します。

ポイント2 詳細な設定を用意する

営業ロープレには明確な設定を用意する必要があります。用意するべき設定には、下記ようなものがあります。

・顧客のペルソナ
・顧客の抱えている課題
・顧客が検討している競合の状態
・顧客が持っている自社商品やサービスへの知識
・顧客の決裁権者

また、何度目のコンタクトなのか、訪問時の状況、訪問先の相手の役職なども決めておきましょう。

参加者全員に用意された設定を周知するという方法もありますが、顧客役のみが設定を所持し、営業役側の臨機応変な対応力を鍛えるという手法もあります。

ポイント3 トークスプリクトを用意する

特に新人の営業担当の教育で営業ロープレを行う際には、必ずトークスプリクトを用意します。

経験豊富な営業担当のトークを参考にトークスプリクトを作ることで、ノウハウの共有にも役立つでしょう。

ポイント4 緊張感を持って取り組む

社内で行う営業ロープレは、和やかな雰囲気になり、緊張感を欠いてしまうことがあります。緊張感が失われた営業ロープレは、残念ながら商談の訓練になりません。

時間を無駄にしないためには、営業ロープレに本番のような感覚で真剣に取り組める雰囲気を作るようにしてください。

ポイント5 さまざまなパターンを想定する

営業ロープレは商談の訓練ですが、同じ設定ばかりを繰り返してはいけません。

さまざまなパターンの商談に対応出来る力を身につけるために、定期的に営業ロープレの設定を変えて幅広い経験を積むようにしましょう。

ポイント6 効果的なフィードバックを行う

営業ロープレで大切なことは、毎回「良かった点」「改善すべき点」の両方のフィードバックです。悪い点ばかりを指摘しまうと、相手の自信を喪失させてしまう恐れがありますので、必ず良い点を伸ばすアプローチもセットにしましょう。

客観的に自分の営業を見直すために、必要であれば動画を撮影し、画像を見ながらフィードバックを実施すると良いです。

まとめ

営業ロープレのメリットやポイントをお伝えいたしました。最近では、直接顧客と対面するのではなく、オンラインで顧客と話をする機会も増えています。営業ロープレでも、オンラインでの商談のケースも練習できるといいでしょう。

また、営業力の強化であれば、営業ツールを導入することも有効です。営業ロープレで営業担当一人ひとりのスキルを向上させると同時に、営業ツールを導入し、営業組織全体の最適化や効率化を図れるといいでしょう。

よかったらシェアお願いします 🐕‍🦺
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!
目次