プレゼンが上手くいかないという方やプレゼンが苦手だと感じている方の中には、話し方の改善によってプレゼンの質が向上する場合があります。プレゼンでは、その構成や資料も重要な役割を持っていますが、話し方によって相手が受ける印象が大きく変わるのです。
今回は、プレゼンを成功に導くためのコツや話し方のポイントを紹介しましょう。プレゼンの質を高めてプレゼン成功率を向上させたいと考えているのなら、ぜひ参考にしてください。
プレゼンを行う際のコツ
プレゼンで最も大切なことは「分かりやすさ」です。どんなに優れた内容のプレゼンでも、相手に伝わらないのでは意味がありません。
まずは、プレゼンを分かりやすくするためのコツを知っておきましょう。
コツ1 プレゼンの全体像を相手に伝える
「これから何を話すのか?」が分かっていないプレゼンは聞き手にとって理解しにくく、興味を持ってもらえないままプレゼンが終わってしまう恐れがあります。プレゼンの冒頭で何を伝えるためのプレゼンなのかを明らかにし、相手にプレゼンの全体像がイメージ出来るようにしておきましょう。
プレゼンで伝えるべき提案が複数ある場合は「今日お話しすることは3つあります。1つ目は、2つ目は・・」とプレゼン開始時に説明すると良いです。相手の興味を引く内容であれば、それだけで聞き手は集中してプレゼンを聞いてくれるようになります。
コツ2 相手に分かりやすい言葉を使う
社内で無意識に使用している言葉が、プレゼンに適している言葉であるとは限りません。
プレゼンでは専門用語や独特な言い回しは避けて、社外の相手である顧客に伝わりやすい言葉を選びましょう。客観的な視点でプレゼン内容を確認し、使い慣れている言葉も客観的に見直してください。
コツ3 抽象的な話をしない
プレゼンで抽象的な表現をすると、プレゼン全体の説得力が下がります。特に顧客が得られるメリットや利益については、具体的な表現が出来るようにしてください。
例えば「大幅な売上向上が期待出来ます」ではなく「他社では売上10%向上の事例もあります」などが良いでしょう。聞き手が知りたいのは、より明確な情報です。
話し方のポイント
冒頭でもお話ししたように、プレゼンは用意する資料や内容だけでなく話し方も重要です。成功につながるプレゼンの話し方を知り、伝わりやすいプレゼンが出来るようにしてください。
1 相手に聞き取りやすい声の大きさ・スピードで話す
まずプレゼンの声の大きさは、小さすぎても大きすぎてもいけません。相手に聞き取りやすい大きさ・スピードで話すようにしてください。プレゼン会場によって適切な声の大きさが変わる場合もあるでしょう。
特に緊張していると、誰もが早口になってしまうものなので、意識してゆっくり話す練習をしておいてください。
また、自信を持ってプレゼンを進めるのは大切なことですが、威圧感のないように自分の話し方を録画して確認してみると良いでしょう。
2 間を効果的に使う
プレゼンの「間」は相手の理解度を高めるために必要です。間を用意せずに話し続けるようなプレゼンは、相手に質問をする機会も与えられないでしょう。
また、適切な間が用意されたプレゼンは余裕のある印象が持たれやすいです。
3 身振り手振りを加える
プレゼンで身振り手振りを使うと、聞き手の視覚にも訴えられるようになります。
もちろん大袈裟なジェスチャーは必要ありませんが、スライド資料をスクリーンで使用する際はアピールポイントを手で示すなどの方法で、重要なポイントが伝わりやすくしてください。
4 聞き手を参加させる
プレゼンは一方的な提案になってしまいがちですが、途中で聞き手に質問を投げかけるようにすると、聞き手がプレゼンに参加することができ、会場に一体感が生まれるでしょう。
「ここまでの流れで質問はありますか?」「この点についてどうお考えですか?」などの質問があれば、顧客主体でプレゼンを進められます。
5 重要なポイントは繰り返す
同じ事柄を繰り返し説明していけないというルールはありません。重要なポイントを繰り返し伝えることでより相手の印象に残るでしょう。
全く同じ言い回しでは「何度も同じことを言っているな」と感じられてしまう場合があるため、少し言い回しを変えたり、別の角度から伝えたりすると良いです。
表情・態度もポイント
プレゼンでは話し方のポイントに留意する必要がありますが、同時に表情や態度も相手に良い印象を与えるものにしなくてはいけません。
ここからは、プレゼン時の表情や態度のポイントをお伝えしましょう。
1 背筋を伸ばして前を向く
話し方やプレゼン内容が優れたものであっても、背筋が丸まって俯いたまま行うプレゼンでは、相手に悪い印象を与えてしまいます。
普段から姿勢を正すのが一番ですが、プレゼン中の姿勢は自信の表れとも言えるため、背筋を伸ばしてしっかり前を向くようにしてください。
2 相手の目を笑顔で見つめる
プレゼン時の表情は明るい笑顔が基本であるため、無意識に固い表情や怒っているような表情になってしまう方は、練習が必要でしょう。
また、プレゼンでは相手の目を見ることも大切です。プレゼン参加者は複数いる場合が多いですが、参加者全員を見渡せるようにしてください。
発表で緊張しないためのポイント
特にプレゼンに慣れていない方は、プレゼンのたびに緊張してしまうでしょう。緊張したままのプレゼンでは、本来の力を発揮出来ず、ここまでにお伝えしたポイントを守ることも難しくなってしまうでしょう。
ここでは、プレゼン時に緊張しないポイントをまとめましたので、ぜひ参考にしてください。
1 なるべく本番と同じ環境で練習しておく
プレゼンの練習は多くの営業担当が取り組んでいるものですが、自宅や1人で行うのではなくプレゼン本番と似た環境下で練習を行えば、より緊張しにくくなります。
具体的には、プレゼン会場と同じような広さの部屋、聞き手との距離感、スクリーンやパソコンの位置を用意してプレゼン練習が出来ると良いです。本番と同じ人数の聞き手を揃えることは難しいと思いますが、可能であれば先輩や同僚などに協力を依頼して、プレゼンを聞いてもらえるようにします。
協力者からフィードバックを受け取れば、緊張を予防するための練習によってプレゼン内容をより良いものに変えられるでしょう。
2 話をよく聞いてくれている聞き手を見つける
プレゼンの最中には、早い段階で「話をよく聞いてくれる聞き手」を見つけます。プレゼンの聞き手の中には否定的な考えを持っている方やプレゼンを聞くこと自体に手間を感じている方などもいるものですが、しっかりと話を聞いてくれる方もいるはずです。
そのような聞き手を意識してプレゼンを進めれば、プレゼンへの肯定感が高められて緊張もほぐれやすくなるでしょう。
もちろんプレゼンは聞き手全員に対して行うものなので特定の相手ばかり注視するわけにはいきませんが、肯定的な態度の聞き手を主体に話を進めることで、会場全体の雰囲気を変えられる効果も期待出来ます。
まとめ
プレゼンはその内容だけでなく、話し方や態度もプレゼンの良し悪しを左右するものです。プレゼンがうまく進められない理由が分からないという方は、一度自分の話し方や態度を客観的に見てみると良いでしょう。
また、プレゼン資料が分かりやすいことも、プレゼン成功には重要です。過去に顧客から好評だったプレゼン資料は、部署内で共有し、誰もが活用できるようにしておくことで、営業部門全体のプレゼンの質は向上するでしょう。プレゼン資料をはじめとする営業に関する資料の管理や共有には、営業ツールやセールスイネーブルメントツールなどのツールの活用が便利です。営業部門全体でプレゼンの成功率向上を目指すのであれば、導入を検討するといいでしょう。