訪問しない営業で成約率が上がる?! メリットと方法を解説

これまでの営業は、新規開拓のために毎日何社も企業を訪問して回るような訪問型の営業が一般的でしたが、業務の効率化や感染症予防、テレワークの浸透から、近年「訪問しない営業」であるインサイドセールスが広まりました。

「訪問しない営業」ではインターネットなどのツールを用いて顧客とコミュニケーションをとって営業活動を行うため、アポなしで飛び込み営業を続けるよりも圧倒的に効率が良く、最小限の人手で期待する成果が得やすいのです。

この記事では、「訪問しない営業」のメリットや導入手順を紹介しましょう。これから「訪問しない営業」を始めたい、よりその対応範囲を広げたいと考えているのなら、ぜひ参考にしてください。

目次

「訪問しない営業」とは

訪問営業は顧客の会社にアポイントの有無に関係なく訪問して営業活動を行うことですが、「訪問しない営業」はインサイドセールスとも呼ばれる営業手法で、名前通り顧客を直接訪問せずにインターネットや電話を使ってアポイントの取得や商談を実施します。

「テレアポ営業」「メール営業」などの以前から存在する非訪問の営業手法は、「訪問しない営業」の手段の一つだと考えれば良いでしょう。

「訪問しない営業」は、商材の広告やセミナーの開催によって得たリードを受注確度の高い見込み顧客へ育てていく役割も持っています。

「訪問しない営業」の現状

「訪問しない営業」は、国内では新しい営業手法だと考えられていますが、アメリカでは国土が広いという理由もあり1990年代から「訪問しない営業」が取り入れられていました。それに比べ日本は、インターネット技術が発達した現在でも「訪問しない営業」の浸透は遅れています。

HubSpot Japan株式会社が2019年に調査した「日本の営業に関する意識・実態調査結果」 によると、日本の「訪問しない営業」の導入率は11.6%に留まり、アメリカの47.2%、欧州の37.1%と大きな差が開いていることが分かります。日本では訪問型の営業は非効率であると認識されているものの、あまり「訪問しない営業」が浸透していないと言えるでしょう。

日本に「訪問しない営業」が浸透しにくい理由には、日本人が「直接会って話をする」ことを重要視しているという点があります。

同調査では営業を受ける顧客側である経営者・役員・会社員に「営業時の訪問をしてもらいたいか」という内容のアンケートを取っており、全体の60.7%が「営業担当者に訪問してもらいたい」と考えているという結果が出ています。その主な理由は次のようなものです。

・訪問のない営業に誠意を感じない
・営業担当者の顔を見ると安心出来る
・インターネットツールの使用は複雑だと感じる

国内の顧客の中には「訪問しない営業」に対してあまり良い印象を持っていない方が多く存在すると言っても良いでしょう。

しかし、社会全体で「訪問しない営業」が定着していけば、その考えも変わっていくでしょう。これから見込まれている少子高齢化による労働力不足を考えれば、業務の効率化は全ての業種に求められていくものです。

「訪問しない営業」のメリット

日本では浸透が遅れている「訪問しない営業」ですが、実際には訪問型営業に比べて多くのメリットがあります。ここからは「訪問しない営業」のメリットを紹介しましょう。

メリット1 コストが削減出来る

訪問型の営業活動には多くの時間と労力が必要であり、複数の企業を訪問するために移動の時間や費用もかかるでしょう。「訪問しない営業」では、人件費や交通費を大幅に削減出来ます。

十分な数の営業担当が用意出来ないという企業でも、期待する成果が得られるでしょう。

メリット2 商談数・成約率が向上する

「訪問しない営業」ではマーケティング部門と営業部門が手を組み、見込み顧客を厳選しながら営業活動を進めることが多いです。そのため、必然的に非効率な訪問営業が減り、商談につながる顧客に時間をかけられるようになり、成約率を向上させられるのです。

メリット3 顧客情報が共有されやすい

訪問型の営業では、顧客情報を担当の営業担当ひとりで管理する場合がありますが、「訪問しない営業」では部署を跨いで営業活動が進められるため、営業担当が手にした顧客情報を共有しやすくなります。

他の営業担当やマーケティング部門も、共有された顧客情報を活用出来るということです。

「訪問しない営業」の導入手順

ここでは「訪問しない営業」を導入する際に知っておくべき手順を紹介しましょう。次のような手順を踏めば、導入後に起こり得る問題を最小限に抑えられます。

手順1 「訪問しない営業」の範囲を決定する

「訪問しない営業」は営業活動の全ての工程に適用させる方法以外に、「訪問しない営業」の範囲を決めて訪問するか・しないかを区分けするという方法もあります。それぞれの範囲の例は次のようなものです。

・リードの発掘までを訪問しない営業で実施
・リードの育成までを訪問しない営業で実施
・商談から成約まで全ての営業活動を訪問しない営業で実施

また、工程別ではなく顧客別に訪問の有無を決める場合もあるでしょう。

どの方法が適しているのかは商材や顧客のタイプによって変わります。まずは自社ではどのように「訪問しない営業」を導入していくのかを決め、「訪問しない営業」と訪問型営業の役割を明確にしてください。

スムーズに「訪問しない営業」の範囲を決定するためには、現在の営業プロセスを見える化しておくと良いでしょう。

手順2 他部門との連携した目標を設定する

「訪問しない営業」は、先ほどもお伝えしたマーケティング部門など他の部門との連携をすることで高い効果が得られるようになります。そのため「訪問しない営業」で設定するべき目標は他部署との連携も考えたものでなくてはいけません。

例えば、アポイント取得までの工程を「訪問しない営業」で行っている会社で”1日10件アポイントを獲得する”ような目標を設定すると、次の工程である訪問営業の際にリードの育成が出来ていなかったり聞き取りが不十分なままになっていたりしてしまうでしょう。このような状態で訪問件数だけを増やしても、成約率は上がりません。

具体的にはアポイント獲得数だけでなく成約率も考えた目標設定を行うなど、「訪問しない営業」では量よりも質に目が向けられる目標を用意する必要があるのです。

手順3 「訪問しない営業」を進めるためのツールを導入する

先ほどもお伝えしたように「訪問しない営業」では顧客情報を社内で共有しやすくなりますが、その情報をスムーズに共有するための仕組みを用意する必要があります。SFAなどの営業を支援するツール導入し、情報に滞りがないようにしましょう。

また、実際に顧客とコミュニケーションを取る手段として電話やメールだけでなく、Web会議システムを利用すれば、よりスムーズに営業活動が進められます。特に商談まで「訪問しない営業」で行う場合には、資料の共有なども可能なツールを活用するべきでしょう。

現在は非常に多くのツールが存在しているため、自社に最適なツールを導入しなくてはいけません。

まとめ

「訪問しない営業」は効率良く営業活動を進める方法であり、少子高齢化によって労働力不足が懸念されている今、これから日本でもより浸透していくと考えられています。この記事を参考に正しい手順で「訪問しない営業」を導入し、営業活動の効率化だけでなく成約の向上を目指しましょう。

また、「訪問しない営業」で、顧客に営業資料を送付することが多いのであれば、顧客が資料を閲覧したかどうかが分かるセールスイネーブルメントツールなどのツールも活用するといいでしょう。顧客が閲覧したページやいつ資料を閲覧したのかが分かれば、顧客の温度感や確度が判別でき、アプローチしやすくなります。

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