自分の営業力をレベルアップさせたいと考えている方にとって、営業手法を学ぶことは非常に重要です。現在は多くの営業手法が存在しているため、商品や業界の特徴だけでなくその目的によって最適な営業手法を取り入れる必要があるでしょう。
この記事では代表的な営業手法を一覧にし、それぞれの内容を説明します。営業手法について学びたいと考えているのなら、ぜひ参考にしてください。
代表的な営業手法一覧
まずは代表的な営業手法を一覧にしました。営業手法は一つではなく工程によって複数のものを組み合わせて活用されます。各工程で自社の営業に最適な営業手法が選べるようにしましょう。
アウトバウンド営業
アウトバウンド営業とは、企業側から顧客にアプローチをして新規開拓を行う営業スタイルを指しており、企業の営業活動の大半はアウトバウンド営業に分類されます。
1 テレアポ(電話営業)
テレアポとは電話を使って顧客に商談のアポイントを取る営業手法のことで、その作業を行う担当者であるテレフォンアポインターを略してテレアポと呼ぶ場合もあります。
昔からあるBtoB・BtoCの両方に活用される営業手法であり、インターネットが普及した今でも重要視されているのです。飛び込み営業に比べて効率良く多くの顧客にアプローチ可能でしょう。
2 飛び込み営業(訪問営業)
飛び込み営業はその名前通り、アポイントのない顧客に対して飛び込みで営業を仕掛けていくスタイルです。相手の都合を事前に確認せずに企業を訪問するため、煙たがられる恐れもあるでしょう。タイミングとトークがうまく進めば、テレアポよりも短時間で顧客との距離が縮められるというメリットがあります。
しかし、営業担当の移動時間などを考えると一日に飛び込み営業可能な企業数には限界があるため、効率的な営業活動とは言えません。
3 メール営業
テレアポよりも多くの顧客にアプローチ可能なメール営業では、短時間で多くのメールが送信出来ます。ただし顧客にメールが読んでもらえない可能性も高く、開封率を上げるための工夫が欠かせません。
ただメールを送るのではなく、開封率やクリック率を確認しながら効果的なメールの内容や送信タイミングなどを考える必要があるのです。
4 レター営業
インターネットが普及した現在において、レター営業は時代に逆行していると思われがちですが、メールよりも開封してもらえる可能性が高く、テレアポよりも担当者に直接繋がりやすい営業ツールであると言えます。
現在はDMでも「手書き風」や「担当者の目に留まりやすい高級紙」などが選べるサービスも増えており「形に残る」というメリットが活かせます。
5 お問い合わせフォームからの営業
企業が公式サイトに用意しているお問合せフォームを活用して直接営業メールを送る営業手法です。担当者と面識のない企業へのアプローチも可能で、新規営業に適しており、確度の高いアポイントにつながりやすくなります。
メールのような一斉送信は出来ませんが、その分丁寧な印象を与えられるでしょう。
6 SNSへのDM営業
現在多くの企業ではマーケティング戦略としてTwitterやInstagramなどのSNSを運営しており、そのようなSNSには直接相手にメールを送ることが可能なDM機能(ダイレクトメール)が搭載されています。
このDMを使って営業を行えば、問い合わせフォームを使用した営業と同じように新規開拓がしやすくなるでしょう。
インバウンド営業
インバウンド営業は広告などのマーケティングを仕掛けて、顧客からのアプローチを待つスタイルの営業のことで、顧客からの連絡前に企業側からは営業を仕掛けません。アウトバウンド営業とインバウンド営業は真逆の営業スタイルだと言えるでしょう。
1 展示会・セミナー・イベント
自社でセミナーやイベントを開いたり、展示会に出店して顧客と出会う場を設ける営業手法です。来場者に商品に対して興味を抱いてもらい、問い合わせが来た相手を見込み顧客としてアウトバウンド営業に移行します。
また、展示会やセミナーなどの会場で手に入れたメールアドレスや連絡先を元にアウトバウンド営業に切り替える手もあります。
2 プレスリリース
プレスリースとは報道機関に向けた情報の提供や発表のことを指しており、企業のあらゆる活動においてメディアに取り上げてもらう方法です。
商品の魅力が十分に伝わるプレスリースが出来れば、多くの問い合わせが集まるでしょう。
3 SNSマーケティング
SNSマーケティングでは先ほどお伝えしたようなTwitterやInstagramなどのSNSを活用して自社の商品の認知拡大やイメージアップを図ります。SNSで情報収集をする機会が増えたことにより、今後もSNSマーケティングの重要性は高まると言えるでしょう。
SNSを運営する際には、ファンの獲得を目的とした魅力的なコンテンツを用意する必要があります。
4 ホワイトペーパー
ホワイトペーパーとは見込み顧客の企業が解決すべき課題を分析し、解決のために自社商品を提案する報告書を指しています。導入メリットの多い商品であることが顧客に分かりやすく伝えられるため、確度の高い商談につながるでしょう。
ホワイトペーパーは営業資料に似た意味合いがありますが、営業資料よりも顧客視点のものでなくてはいけません。
5 コンテンツマーケティング
企業の公式サイトやブログ記事のSEO対策を実施し、検索サイトで上位表示される施策をコンテンツマーケティングと呼びます。ターゲットユーザーに対して価値のあるコンテンツを配信し、商談の機会を得るのです。
質の高いコンテンツを継続して配信することで、見込み顧客となる企業や商品のファンを増やせるでしょう。
その他の営業手法
次に、近年増加傾向の営業手法を2つ紹介します。最適な営業手法は社会情勢や企業を取り巻く環境に左右され日々変化するものであるため、常に新しい情報を得るようにしましょう。
1 ABM(アカウントベースドマーケティング)
ABMとはAccount Based Marketingの略で、最近注目されているBtoB営業のひとつです。これまでの営業手法は業種などをターゲットに営業活動を進めるものが多かったですが、ABMでは自社にとって価値のある企業をターゲットとします。
ターゲットとする企業は「企業規模が大きく高い収益が期待出来る」「業界内での競合優位性が高い」「知名度がある」などを基準として選定され、設定した企業に合わせて最適なマーケティング施策を展開します。その際、営業部門とマーケティング部門が連携し、ターゲット企業に合わせた戦略を立てて、自社の利益を最大化することを目的とします。
他の顧客に比べて時間やコストが必要だとしても、成約に至った場合の売上が多く見込めるのであれば、結果的に効率良く営業活動を進められることになるでしょう。
2 オンライン商談
オンライン商談は、感染症予防の観点からこの数年間で急速に広がった商談スタイルです。Web会議システムなどを活用して顧客とオンラインで商談を行い、クロージングまで全てオンラインで行われることが一般的です。
対面での商談に比べて資料の共有がしやすく、遠方の顧客とも商談の機会が得やすいなどのメリットがあり、テレワークでも営業活動を進められます。
まとめ
最適な営業手法は商品や企業、顧客によって変わります。また、営業プロセスや状況によって使い分けることも可能なので、多くの組み合わせが存在します。さまざまな状況を想定して営業手法を選択し、より質の高い営業が行えるようにしましょう。
また、営業手法を組み合わせたり、新たな営業手法を取り入れたりする場合は、セールスイネーブルメントツールなどの営業ツールの活用がおすすめです。ツールを活用することにより、営業やマーケティングという部署の垣根に囚われず、営業活動全体の効率化や最適化が叶うでしょう。