営業活動を進める中でプレゼンの機会をもらえることもあるでしょう。本来、営業プレゼンは成約に結びつくチャンスですが、営業プレゼンが苦手だと感じている営業担当も多いようです。この記事では営業活動の中で実施するプレゼンテーションについての基本的な情報と、プレゼンを成功させるためのコツやポイントを紹介します。
効果的な営業プレゼンが出来るようになりたいと考えているのなら、ぜひ参考にしてください。
営業プレゼンとは
営業プレゼンとは顧客に対して自社の商品やサービスを説明する目的で行われ、プロジェクターやディスプレイを使ってプレゼン資料を映し出しながら話を進める方法が一般的です。
ただ自社の商品を紹介するのでは顧客の心を掴むことは難しいため、顧客の抱える課題を商品の導入で解決可能であると伝えられるものでなくてはいけません。競合との違いや顧客が得られるメリットも説明出来ると良いでしょう。
また、営業プレゼンで提示する情報は量よりも分かりやすさが重要視されます。
営業プレゼンが大切な理由
営業プレゼンの機会が得られるということは、顧客は商品に興味を持ち検討段階に入っている状態であるため、商品の導入によって得られるメリットが顧客に十分伝われば、スムーズな成約が期待出来ます。
また、営業プレゼンの場には担当者の上司にあたる決裁者が同席する可能性もあります。つまり営業プレゼンは営業の成功を左右する重要な機会だと言えるでしょう。
営業プレゼンの種類
営業プレゼンと言えばBtoB営業が浮かぶ方が多いようですが、実際にはBtoC営業でも営業プレゼンが行われます。ここではそれぞれのプレゼンの特徴を紹介しましょう。
BtoB向けの営業プレゼン
BtoB営業は大人数を相手にプレゼンを実施するケースが多く、中には10名以上の参加者がいることもあるでしょう。BtoB向けの営業プレゼンでは必要なコストとリターンが重要視されるため、商品導入時のメリットだけでなく費用対効果を明確にしてください。
また、その場に決裁者や稟議に必要な承認者が参加しない可能性を考え、営業プレゼンに出席しなくてもプレゼン内容が伝えられる資料を用意しましょう。
BtoC向けの営業プレゼン
BtoC営業で実施される営業プレゼンは個人向けてあることから、夫婦や家族である1〜2人程度が参加します。ほぼマンツーマンに近い形になるため、情報を伝えるというだけでなくお互いの距離が縮められるようなプレゼンを目指すと良いでしょう。
顧客の状況に合わせ、相手の立場に立ったプレゼンが効果的です。
プレゼン資料を作成する際のコツ
人間は耳で聞いた情報だけでなく目で見た情報によって、より情報への理解度が深まるものです。営業プレゼンも口頭のみのスタイルよりも資料を用いたスタイルである方が相手に内容が伝わりやすくなるでしょう。
コツ1 1スライドには1つのメッセージのみを記載する
プレゼンの際はPowerPointなどのソフトを利用することが多いですが、1つのスライドに複数の情報を盛り込まないようにしてください。情報の多過ぎるスライドは何を伝えたいのかが分かりにくく、顧客を混乱させてしまうでしょう。
1スライドには1つのメッセージというルールを設ければ、分かりやすいプレゼン資料に仕上がります。
コツ2 図やグラフを使って視覚的に分かりやすい仕上がりにする
プレゼン資料は短時間で聞き手に情報を伝えられるものでなくてはいけません。そのため、数字を使用したデータはグラフを使ってより分かりやすいものにしましょう。複雑な説明には図を活用するなど聞き手に伝わりやすい工夫をすることが大切です。
コツ3 誰もが理解出来る言葉を使う
専門用語を使うとプレゼン資料の内容が顧客に十分理解されない可能性があります。また、自社内で使用している言葉に顧客が馴染みを持っていない可能性も考えられるでしょう。
営業プレゼンに限らず社外向けのプレゼンで使用する資料では、誰でも分かる言葉を選んで使うようにしてください。どうしても専門用語を使用する必要がある場合には、補足説明を追加しましょう。
コツ4 導入事例を紹介する
商品を導入して得られる効果は、導入事例の紹介によって具体的に伝えます。特に顧客と同じ業界や事業規模が近い企業の導入事例を選ぶと良いでしょう。
導入事例があれば、顧客は商品導入後のイメージを記憶に残してくれます。
プレゼンの話し方のポイント
プレゼン資料や説明内容が優れていたとしても、プレゼン中の話し方によって相手に悪い印象を与えてしまうことがあります。ここからは、プレゼン中の話し方のポイントをまとめました。
どのポイントも客観的に自分の話し方を見直す必要があるため、自分の話し方を録音または録画して確認すると良いです。
ポイント1 話し方のスピードに気をつける
一般的にプレゼンには定められた時間があり、その時間内に全ての情報を伝えなくてはいけません。そのためつい早口になってしまう方が多く、聞き手に聞き取りにくいと感じられてしまうのです。特に緊張して早口になりやすい方は「ゆっくり話す」ことを意識する必要があるでしょう。
落ち着いて間を取りながら話をするだけで、余裕のある印象を持たれます。
ポイント2 資料を棒読みしない
プレゼンをスムーズに進めるためにメモや自分用の資料を用意するのは良いですが、棒読みになってしまうと聞き手の心に響かないプレゼンになってしまいます。「自分の言葉で話す」ことを意識し、顧客に商品の魅力を伝えられるようにしてください。
ポイント3 顧客の様子を見る
顧客に提示しているスライドの資料や手元のメモばかりを見てプレゼンを進めていると、顧客の状況を把握出来ません。「自分に向けて話されていない」と感じた顧客はプレゼンに対しての興味を失ってしまう可能性があります。
参加者全員を見回しながら話せば、参加者の人数が多いプレゼンでも全員が最後まで話をしっかり聞いてくれるでしょう。
ポイント4 参加者をプレゼンに参加させる
プレゼンする側が情報を伝え続けるスタイルのプレゼンでは、顧客の理解が追いつかず、顧客がプレゼンを傍観してしまう恐れがあります。
要所要所で聞き手に意見を聞いたり、質問を投げかけたりすると良いでしょう。
魅力的なプレゼンを行うためにするべきこと
プレゼン参加者全員の興味を集めて、成約につながる魅力的なプレゼンを実施するために、知っておくべきことを紹介します。プレゼン資料作成時のコツや話し方のポイントと合わせて覚えておきましょう。
1 優秀なプレゼンを見本にする
プレゼンを得意として成果を得ている人は世の中に多く存在します。そのプレゼン自体やプレゼンのコツを発信している方もいるでしょう。
優秀なプレゼンを分析して、自分が活用可能なテクニックを取り入れたプレゼンを行えば、いち早くプレゼンの質を高められるのです。
2 プレゼン後の反省を次に活かす
プレゼン中に参加者から受けた質問や参加者の反応を確認し、今後のプレゼンの改善に役立てます。
悪かった点だけでなく、参加者の興味が集められた点なども反映させていくと良いでしょう。
3 練習を怠らない
営業プレゼンに慣れてきても引き続きプレゼン練習を繰り返すことで、よりプレゼンの質を高められるようになります。自分の練習風景を動画に残せば、話し方だけでなく立ち姿やジェスチャーなども細かく分析出来るでしょう。
上司や同僚といった第三者の意見をもらうのもおすすめです。
まとめ
営業プレゼンは成約を左右する重要な役割を持っています。せっかく手にした機会を無駄にしないためにも、効果的なプレゼンが行えるようにしましょう。この記事で紹介した方法を参考に、繰り返し練習しながら自分のプレゼンの質を向上させてください。
また、顧客へプレゼン資料などの営業資料を送付する機会が多いのであれば、セールスイネーブルメントツールなどのツールを活用すると便利です。ツールを利用すれば顧客情報や営業資料の管理が容易に行え、中には送付した営業資料を顧客がいつ閲覧したかが分かる機能もあり、顧客へのアプローチに役立ちます。プレゼンのブラッシュアップと同時に、ツールの活用も検討するといいでしょう。