営業資料は書式に細かな決まりがないため、自由度が高く無限の表現方法が存在します。にもかかわらず、内容が伝われば良いという考えから、無難なデザインに仕上げる人が多いようです。しかし実際には、営業資料のデザインはその資料の価値を左右する重要なポイントであり、内容と同じようにこだわるべきなのです。
この記事では、営業資料にとってデザインが重要な理由と、優れたデザインの特徴や外注する場合の方法などを紹介しましょう。これから営業資料を作成しようと思っている方、営業資料のデザインに悩んでいるという方は、ぜひ参考にしてください。
営業資料の役割
営業資料は、営業担当の武器と言えるものです。
取引先に自社の商品やサービスを提案する時に使用するのはもちろん、取引先での検討の際に閲覧されたり、稟議資料になったりすることもあるでしょう。
優れた営業資料があれば対面の営業が出来なかった相手にも、営業資料を読んでもらえるだけで提案内容が伝わります。
また、営業資料は社内の営業担当同士の情報共有や営業力の標準化にも役立つなどの役割も持っています。
営業資料のデザインに注力した方がよい理由
営業資料は自社の商品やサービスの提案の際に使用しますが、提案を受ける相手にとって営業資料は、その商品やサービスの印象だけに留まらず、その会社自体の印象を左右するものだと言えます。
つまり、営業資料は「会社の顔」であると考えれば良いでしょう。
営業担当が営業のために身だしなみを整えるのと同じように、営業資料も「取引先に良いイメージを持ってもらう」ために、内容だけでなくデザインにも力を入れるべきなのです。
営業資料の印象は商品やサービスの印象であり、自社の印象にもつながることを忘れないようにしてください。
営業資料のデザインに注力されていない原因
営業資料のデザインに注力するべき理由を説明しましたが、実際にはデザイン性の低い営業資料が多いということも事実です。
それには、どのような理由があるのかを説明しましょう。
原因１ 営業資料のデザインを考える時間がない
営業担当が営業資料のデザインの重要性を知っていても、営業資料の作成に十分な時間がなくては、デザインを考えたり、作成したりすることが出来ません。
リソース不足によって、業務に余裕のない環境では、優れた営業資料を作ることは難しいでしょう。
営業担当を営業活動に集中させるために、営業担当以外に営業資料を作成する別の担当者を用意し、フォロー体制を整えている会社も多いようです。
原因２ デザインを考えたり、作成したりするスキルがない
営業資料のデザインは特殊なデザインソフトを活用しなくても作成できますが、普段からあまりデザインを気にしないテキストのみの資料作成をメインとしていた方にとっては、いつもと違ったスキルが必要になります。
さらに、デザインを考えるという作業自体を、不得意と感じる方も多いようです。
原因３ 営業資料担当者と営業担当の連携不足
営業担当以外に営業資料を作成する担当者がいれば、営業担当の負担を軽減させることが出来ます。
しかし、営業資料担当者と営業担当の連携がしっかり取れていないと、作成された営業資料と提案内容に相違点が生まれてしまうのです。
特に営業資料のデザインは意見の共有が難しい部分であると言えるため、十分な情報連携が必要でしょう。
デザインが優れている営業資料の特徴
優れたデザインの営業資料とは、どのようなものを指すのでしょうか？ここからはデザインが優れている営業資料の特徴をまとめました。営業資料のデザインを考える際には、この特徴を意識してみましょう。
特徴１ 内容が読みやすい
営業資料は「読みやすい」ことを最優先させる必要があります。
どんなに商品やサービスのイメージに最適なデザインでも、読む相手に「読みにくい」と感じさせるものではいけません。
読みやすいデザインを作る時に、注意するべき点は下記のようなものです。
・文字は読みやすい大きさに設定する
・文字が際立つように、背面に似た色は使用しない
・重要部分にカラーや太字を用い、メリハリを付ける
・適度な余白や改行を使い、内容を詰め込み過ぎないようにする
あまりにカラフル過ぎたり、文字の特殊効果などにこだわり過ぎたりしたデザインは、読む相手を疲れさせてしまうため、シンプルなデザインを心掛けると良いでしょう。
また、イラストや図を活用し「文字ばかり詰め込まれた資料」という印象にならないようにしてください。
特徴２ 使用するシチュエーションを考えたデザイン
営業資料は使用予定のシチュエーションによって最適なデザインが変わります。
具体的には、営業資料をスライドショーを使ってプレゼンを行う場合には、1ページごとに伝えたい内容を1つ盛り込むスタイルが良く、営業資料をプリントアウトして配布する場合は、あまりページ数が増え過ぎないように注意してページ分けをする必要があります。
営業資料を使用するシチュエーションが変わるのであれば、資料のデザインの変更も考えた方が良いでしょう。
シチュエーションに合わせて1ページに含める情報量を調整すると、伝えたいポイントが相手に伝わりやすくなります。
特徴３ 相手の興味を引くデザイン
営業資料を最後まで読んでもらうには、資料に含まれる情報が読む相手の興味を引かなくてはいけません。
例えば、取引先に関係のあるデータや情報を使用したり、取引先が得られるメリットを強調したりするなどの方法があるでしょう。
大量に印刷して複数の会社に配っているようなありふれた営業資料では、相手の興味を引くことは難しいのです。
営業資料のデザインを外注する場合の依頼先
社内に営業資料の作成が出来る人材がいない、またはデザインを考える時間が用意出来ない場合には、営業資料のデザインを外注するという方法があります。
営業資料の外注先には、下記のようなサービスがあげられますので、自社に最適なサービスを探してみましょう。
営業資料を含めた資料作成を中心に行う会社で、会社によって得意分野や料金体系が変わります。
デザイン事務所やデザイナーに営業資料を依頼する場合は、デザイン性の高い仕上がりが期待出来ますが、依頼費用が比較的高額になります。
オンラインアシスタントとは、社外のスタッフにオンラインで作業を依頼するサービスです。
秘書・人事・営業サポートなど様々な内容の依頼が可能で、内容や使用するサービスによって料金が変わります。
営業資料のデザインを外注する際の注意点
営業資料のデザインを外注する際には、依頼先のスキルや経験だけでなく、過去の実績を参考に得意分野も調べておく必要があるでしょう。
サービスによっては、修正の度に費用が発生するなど料金体系が分かりにくいこともありますので、注意してください。
また、社外の相手に自社の商品やサービスの特徴、目指しているイメージを伝えることは簡単ではありません。
希望するデザインのイメージ画像などを用意し、依頼相手と方向性をしっかり合わせられるようにしましょう。
まとめ
営業資料のデザインの重要性と、優れたデザインの営業資料の特徴や外注方法について説明いたしました。自社の商品やサービスのイメージに合致した、相手の興味を引く営業資料が作成出来れば、資料そのものが営業担当の武器であり代わりにもなります。
また、営業資料のデザインに注力するのと同時に営業ツールを活用することによって、より営業活動の効率が上がるでしょう。営業活動に専念出来る環境を整え、日々の業務を行ってください。