メールによるリードナーチャリングで機会損失を防ぐ|設計手順を解説

BtoB分野におけるマーケティングには、リードナーチャリングと呼ばれる手法が使われることがあります。
リードナーチャリングはさまざまな方法で行われますが、その中でも頻繁に行われるのが、メールによるリードナーチャリングです。メールによるリードナーチャリングは、うまくメールの種類を使い分けることで、より効果的なリードナーチャリングを可能にします。

今回は、メールによるリードナーチャリングの種類や設計手順について解説していきます。マーケティング施策策定の参考に、お役立てください。

目次

リードナーチャリングとは

まずは、リードナーチャリングとはどんなものなのか知っておきましょう。リードナーチャリングの意味や目的について説明していきます。

リードナーチャリングは「見込み顧客の育成」のこと

そもそも、リードという言葉とナーチャリングという言葉は、ビジネスにおいて以下のような意味で使用されます。

リード=見込み顧客
ナーチャリング=育成

つまり、リードナーチャリングとは「見込み顧客の育成」のことを指します。
リードナーチャリングでは、まだニーズが顕在化していない見込み顧客(リード)に対し、適切なアプローチを行うことで、購買意欲を刺激しニーズを顕在化させ、受注へと繋げます。アプローチによって、見込み顧客(リード)を顧客へと育成することから、このように呼ばれています。

メールによるリードナーチャリング=メールナーチャリング

リードナーチャリングの手段のひとつに、メールがあります。

メールはマーケティングにとって重要な手段であり、メールを用いたマーケティングは「メールマーケティング」と呼ばれます。
このメールマーケティングという手法とリードナーチャリングという手法を合わせたものが、今回ご紹介している「メールによるリードナーチャリング」です。「メールによるリードナーチャリング」は「メールナーチャリング」とも呼ばれ、低コストで効果的なアプローチができることから、主要なナーチャリング手段として活用されています。

リードナーチャリングの目的

では、リードナーチャリングは何のために行われているのでしょうか?
その目的は、「受注機会の損失を防ぎ、営業効率を上げること」です。

例えば、すぐに案件化せず保留もしくは失注したリードは、そのまま放置しておくと、他社に流れてしまうことがあります。これは、受注機会の損失に繋がります。
しかし、リードナーチャリングによって、案件化しなかったリードに対するフォローを続ければ、リードの他社への流出を抑えることが可能です。

また、リードナーチャリングでは、休眠顧客から案件を創出できる可能性もあります。休眠顧客からの案件創出は、一からリードとなり得る顧客を探すよりも効率的に営業活動を進められる点で、企業にとってのメリットとなります。

メールによるリードナーチャリングの種類

メールによるリードナーチャリングには、いくつかの種類があります。ここでは、主要な5種について解説していきます。

①メルマガ

ユーザーに対し自社の情報を定期的に発信するメルマガは、メールによるリードナーチャリングの中でももっとも一般的なコンテンツです。
メルマガは、多くの人が興味を持つ情報発信に向いています。例えば、商品やサービスの最新情報やキャンペーン情報などです。

ただし、メルマガはユーザー全体に送ることが多いため、その内容は汎用的になりやすく、ユーザーごとのニーズには応えられません。そのため、効果的なリードナーチャリングのためには、他の種類のメール施策を併用する必要があります。

②セグメントメール

セグメントメールとは、グループごとに情報発信のメールを送る方法です。リードを条件でグループ分けし、そのグループが求めていると予想される情報を、グループごとにメール配信します。

年齢や住んでいる地域などによってリードのニーズは異なりますが、セグメントメールではそのニーズに応じたアプローチが可能です。ニーズに合った情報発信ができれば、リードの反応率は向上します。

③ステップメール

ステップメールは、リードの状況に応じて段階的に情報発信するメールのことです。例えば、メール登録したその日に1通目のメール、3日後に2通目のメール、2週間後に3通目のメールというように、全体配信ではなく個々の状況に応じ、順番にメール配信を行います

段階ごとに情報を発信することで、リードの知識を増やし、顧客への育成を目指します。

④サンクスメール

サンクスメールは、お礼メールのことです。リードがメール会員に登録したり、資料をダウンロードしたりした時に配信されます。
ただし、サンクスメールはほとんどの場合が自動配信になっており、受け取った人もじっくり読むことは少ないので、リードナーチャリングとしての効果は薄めです。

⑤ご案内メール

イベントやセミナー、講演会などの案内をするためのメールです。ご案内メールによってイベントやセミナーに参加してもらえれば、リードナーチャリングのフェーズを一歩前に進めることが可能です。

メールによるリードナーチャリングの設計手順

メールによるリードナーチャリングは、以下のような手順で進めます。

手順1 目標設定

まずは、メールによるリードナーチャリングで目指す目標を設定していきます。目標は、施策のベースとなるため、慎重に決める必要があります。
この時、目標はKPIやKGIなどを用い、なるべく数字で具体的に設定するようにしましょう。

手順2 配信リストの作成

次に、メールの配信リストを作成します。
セグメントメールなら条件ごとにグループ分けしたリストが、ステップメールならステップごとのリストが必要になります。
条件やアクションから分析を行い、目的に応じたリストを準備しましょう。

また、一貫的にマーケティング施策を進めるなら、この段階でカスタマージャーニーマップを作成し、マーケティングの全体の流れを確認しておくのもおすすめです。

手順3 コンテンツ作成

準備が整ったら、配信するメールのコンテンツ作成に入っていきます。コンテンツの目的とターゲットを明確にし、必要な情報をまとめていきます。
メールをユーザーの印象に残すには、デザインにもこだわるべきでしょう。

手順4 メール配信

コンテンツが完成したら、メールを配信します。
ユーザーの反応を最大化するには、メール配信のタイミングが重要です。メールをしっかり見てもらえそうなタイミングを見極め、配信のための予約作業を行います。

手順5 効果測定・改善

メール配信が完了したら、それに対するユーザーの反応を必ず分析するようにしましょう。分析結果に基づいて改善を続けていけば、マーケティング施策をより良いものにすることができます。

まとめ

メールによるリードナーチャリングは、多数のリードを管理・フォローしていくにあたって、効果的な手段です。目的やターゲットによってメールの種類を使い分けながらフォローを続ければ、リードを顧客化したり、他社への流出を防止したりすることができます。
ただしそのためには、リードの的確なグループ分けや必要とされている情報の見極めが必要でしょう。

また、リードに送ったメールの開封率や反応を把握するには、セールスイネーブルメントツールが役立ちます。セールスイネーブルメントツールでメールに対するリードの反応を可視化できれば、次の施策が策定しやすくなるでしょう。
リードナーチャリングに力を入れるなら、セールスイネーブルメントツールの導入も検討してみるといいでしょう。

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