人材育成と組織の課題は「業務の見える化」で解決|事例と効果を解説

業務の見える化には多くのメリットがあり、企業の抱える多様な課題解決に効果的です。では、業務の見える化には具体的にどのようなメリットがあるのでしょうか。また、業務の見える化はどのように進めていけば良いのでしょうか。

そこでこの記事では、業務の見える化について、メリットやポイント、成功事例などをご紹介します。

目次

業務の見える化とは

「見える化」とは、ビジネスにおける目に見えない情報を見える形にすることを指す言葉です。企業が抱えている課題に対して実施され、見える化による解決を目指します。

「見える化」は「可視化」と混同されやすく、どちらも見えない情報を見える形にする点では共通しています。しかし、「見える化」と「可視化」は全く同じ意味というわけではありません。

見える化
課題解決のため、見えない情報を常に見える状態にすること。ビジネス分野で使用される。
可視化
目に見えない情報を視覚的にわかりやすい状態にすること。見えない情報を見たい時に見れる状態にすること。一般的に使用される。

このように、「見える化」と「可視化」には状態や使用対象に違いがあります。

「業務の見える化」では、業務に関する目に見えないさまざまな情報を、目に見える形にします。例えば、あらゆる業務の流れや手順、個々の社員による仕事の進捗状況、購買率や稼働率のようなあらゆるデータなどです。
業務の見える化には、企業利益を高める多数のメリットが期待できることから、企業経営手段のひとつとして、多くの企業で推進されています。

業務の見える化のメリット

次に、業務の見える化に期待できるメリットを6つご紹介します。

メリット1 無駄な業務の見直し

業務を見える化すると、業務フローや手順、注意事項など、業務全体の流れが見えるようになります。すると、今まで意識されてこなかった無駄な業務や効率の悪い手順などが浮き彫りになります。企業として見直すべき業務を発見し、不要な工程を排除したりやり方を変えたりして、無駄を改善できます。

また、業務の見える化により業務の実態が理解しやすくなれば、社員自らの自発的な業務改善も期待できるでしょう。

無駄な業務や効率の悪い手順を見直し、最適な方法へと積極的に改善できれば、業務は効率的になり、生産性も向上します。

メリット2 属人化防止

業務の見える化は、属人化防止にも効果的です。
「属人化」とは、「ある業務を特定の人しかできない状態、ある業務の内容ややり方が特定の人にしかわからない状態」を指します。業務が属人化していると、担当者がいなければ業務は進まないため、業務が滞るリスクがあります。

しかし、業務の見える化によって全ての業務内容ややり方が文字や数字、図などで表され、誰にでも理解できるような形になれば、属人化は解消できます。業務の内容ややり方が明らかになることにより、全ての社員がその業務を行えるようになるためです。

ただし、発案したりデザインをしたりといった創造性の強い業務についての見える化は難しく、そもそも属人化自体がデメリットにはなりません。

メリット3 業務の均質化

業務の見える化は、業務の均質化にも繋がります。業務の均質化とは、「いつ誰が行っても、業務の質にムラがなく一定であること」を指します。

業務の質にムラがあると、顧客からの信用度は下がります。また、不備やミスが生じたり、それらが大きなミスに繋がったりする場合もあります。

業務の質のムラは、人によって業務の進め方が異なったり、感覚で業務を進めたりしていることによって発生します。
そこで、業務フローや手順、注意事項などを細やかに見える化し、それを基準とすれば、全ての社員は見える化されたフローや手順に従って業務を進めるようになります。結果、進め方や感覚による業務のムラがなくなり、いつ誰が行っても同じ品質での業務遂行が叶います。

メリット4 業務全体を俯瞰的に見られる

業務の見える化では、業務フローや手順などを見やすく理解しやすい形にすることにより、社員が業務の全体像を把握できるようになります。これにより業務全体を俯瞰的に見られれば、広い視野で状況を把握する力や、判断力、発案力などのスキルアップが見込めます。

物事を俯瞰的に見ることは、凝り固まった考え方を排除して新たな発想を生み出したり、業務に対する知識や理解を深めたりするために有効です。

メリット5 相互理解が深まる

多くの仕事は、業務ごとに担当者を決めて進められます。それぞれの社員が、自分の担当業務以外の業務について深く理解していることは、あまりないでしょう。

しかし、業務を見える化すれば、担当業務以外の業務についての知識や理解も深まります。「どの社員がどんなスキルを持ってどんな仕事をしているか」がわかれば、自分の業務において専門外の対応が必要になったりトラブルが起きたりした時に、それらを専門とする社員に相談したり引き継いだりと、速やかな協力体制を敷くことができます。

見える化により、担当外の業務について知り、社員同士の相互理解を深めることは、部署や担当業務の枠を超えた社員同士の協力を生みます。

メリット6 コスト削減

企業利益を追求するにあたって、コストの問題は重要です。無駄なコストはなくし、必要な部分にコストをかけるのが、企業のあるべき姿です。

業務の見える化であらゆる業務の流れやその情報が明らかになれば、無駄な業務をなくして人件費を減らせます。また、コスト自体を見える化することにより、社員の節約意識向上や積極的な改善案の発案などを期待することもできます。

業務内容や実態の見える化は、業務の無駄を洗い出しコスト削減するために必須です。特に数字を用いた具体的な見える化は、社員の意識を大きく変えるでしょう。

業務の見える化を行う際のポイント

業務の見える化を行うには、以下のようなポイントに気をつける必要があります。

ポイント1 誰にでも理解できる内容で見える化する

業務の見える化は、誰にでも理解できる内容で行うことが大切です。内容が難しかったり見にくかったり、専門用語が多かったりと、わかりにくい形での見える化では、社員が業務について理解を深めることができません。それでは、見える化の効果は半減してしまいます。

見える化は、明確でわかりやすい形で行うことにより、全ての社員に対し見える化による効果を期待できます。

ポイント2 目的や課題を明確にしておく

業務の見える化を実施するためには、まずは見える化の目的や見える化により改善したい課題を明確にしておくことが大切です。目的や課題が曖昧なままだと、見える化の方向性も曖昧になり、思うような効果を得られない可能性があります。

まずは目的と課題をはっきりと決め、それを見据え、適切な手段で見える化を進めるようにしましょう。

ポイント3 見えない情報の的確な選定

見える化では、見えない情報を常に見える形にします。
目的達成や課題解決のためには、この見えない情報の選定が重要です。「目的達成に向けてどの情報を見える化するか」「課題解決に必要な情報は何か」を的確に見極めなければ、見える化に期待する効果は得られません。

ポイント4 ツールを利用したマニュアル整備も有効

見える化を効率的に、そして効果的に実行するには、専用ツールの導入も視野に入れましょう。
例えば、情報共有ツールを用い、業務の見える化の一環としてマニュアル整備や業務プロセス管理を行えば、業務の流れや手順、また業務の進捗を効率的に全社員へ共有できます。

ツールを利用すれば、一からシステムを構築するよりもスピード感を持って、利便性に優れた見える化を進められます。

業務の見える化に成功した企業事例

ここでは、業務の見える化によって課題を解決した企業の具体事例を2件ご紹介しましょう。

A社の事例

工業用機械メーカーA社では、以下のような課題を抱えていた。

・稼働効率が悪く、止まっている設備が多い
・設備の稼働状況がわからない
・設備の管理が紙や電話などアナログな方法で行われ、共有しにくい

そこで、「設備の稼働率向上による収益性アップ」を目的とし、設備の状態を数字で表すモニタリングシステムを導入し、稼働率をはじめとした設備状態を見える化した。その結果、稼働率に応じた対応や設備情報の共有が行えるようになり、稼働率に対する従業員の意識改革も叶った。

B社の事例

精密機器会社B社では、以下のような課題を抱えていた。

・物流コストが嵩んでいる
・業務の無駄が多く業務の生産性が低いため、残業も多い

そこで、「物流コスト改善」と「業務生産性アップ」のために、在庫管理システムによる在庫の見える化、手順書の作成・共有による業務フローの見える化を実施した。システムでの適切な在庫管理による在庫削減や管理の手間削減は物流コスト削減に、手順書による業務フローの整備は業務の無駄の排除に繋がり、「物流コスト改善」と「業務生産性アップ」という目的を達成できた。

まとめ

業務の見える化には、多くのメリットが期待できます。企業経営において課題を抱えている場合には、見える化による課題解決に向けたアプローチを検討すると良いでしょう。

また、業務の見える化において、自社でシステム構築がコストや時間の面で難しい場合には、専用ツールの導入も検討しましょう。マニュアル作成ツールや情報共有ツールなどの専用ツールは利便性に優れ、見える化後のシステム運用も手軽です。ツールによって特徴やコストは異なるので、まずは自社の見える化における目的や課題を明確にした上で、最適なツールを選定するようにしましょう。

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