【税理士・会計士】ITツールで業務効率化のポイントを解説

士業の業務にはさまざまなものがあります。このなかには書類作成など事務作業も多く、事務所を設けてスタッフを雇っている方もいるでしょう。業務のなかには有資格者本人が対応しなければならない業務があるため、それ以外の業務をどれだけスタッフに任せ、効率的に事業を進められるかが運営の鍵となります。

本記事では士業の課題やIT化されたナレッジを活用するメリット、業務に役立つナレッジを作成するポイントについて解説します。

目次

士業の概要

ひとくちに士業といっても、以下のとおりさまざまなものがあります。

・弁護士
・司法書士
・行政書士
・税理士
・公認会計士
・社会保険労務士

士業の運営は有資格者1人で行う場合やスタッフを雇用しながら事務所を運営するケースがあります。この場合のスタッフは、有資格者とは限りません。そのため有資格者とスタッフで役割分担が行われる場合が多いです。

たとえば相談に応じて何かをアドバイスするといった業務は、法令により有資格者しかできません。一方で書類の作成業務は定型的なものも多いため、スタッフに任せられるものも多いでしょう。士業が扱う書類は量も種類もさまざまですから、このような業務を担うスタッフはありがたい存在です。

士業が抱える3つの課題

人を雇用して事務所を運営するケースの場合、「人材の育成や業務の効率化、生産性の向上」といった観点が欠かせません。ここでは士業が直面する3つの課題を取り上げ、それぞれの内容を解説します。

1 業務の種類が多いため、戦力になるまで時間がかかる

士業では、扱う業務の種類が多いことが特徴です。加えて近年の業務ではITツールも活用していますから、入所した方はそれぞれの業務の進め方はもちろん、業務に関連するソフトの使い方(申請書の作成や集計管理など)を習得しなければなりません。そのため、スタッフとして働く場合でも、戦力になるまでには一定期間を要します。また、士業では専門用語が当たり前のように使われるため、以下の悩みをお持ちの方も多いのではないでしょうか。

・わからない点があっても質問できる人がいないため、作業が止まってしまう
・新人など他の方から呼び止められ、自分の仕事がいっこうに進まない
・同じことを何度も質問される
・これまでマンツーマンで教育していたけれど、今度は2人分の教育を任された

このような先輩や同僚の手を煩わせずに、業務を能動的に学ぶことができる仕組み作りが必要です。

2 ドキュメント形式のマニュアルは手間がかかる割に読まれない

業務を教える手間を省くには、マニュアルの作成が一般的です。しかし汎用的な文書作成ソフトで作る場合、以下の課題があることは見逃せません。

・マニュアルの型が統一化されず、作成者によって品質が大きく異なる。
・マニュアル作成のプロではないため、作成や編集に時間がかかる
・作成したマニュアルのファイルが、いつ・誰が作成・更新したものかわからなくなる

できあがったドキュメント形式のマニュアルは、読む側にとっても不便です。知りたいことは1つなのに、マニュアルを都度めくり、目的のページを探さなければなりません。電子化されたドキュメントなら検索機能が使えますが、検索に必要なキーワードを考えなければならないうえ、複数の結果が表示される場合も多く、探す手間がかかることには変わりありません。

このようなことから、せっかくマニュアルを作っても「読むのが面倒」と思われ、読まれなくなりがちです。これではいつまでたっても業務効率化がはかれません。

3 頻繁な法令改正に対応する必要があり、改訂作業が大変

士業では、頻繁な法令改正に対応する必要があります。たとえば確定申告に関わる税法は毎年のように変わっていますから、税理士や会計事務所は迅速かつ適切な対応が必要です。

法令が変われば仕事の進め方やマニュアルも変える必要がありますが、紙やファイルで配布している場合は、改訂作業が大変です。紙ならば1か所修正しただけでも、すべて配布し直す必要があるかもしれません。一方で、ファイルならば修正してメールなどで送ればよいため紙よりは負担が減るものの、すべての方に送る作業はやはり大変です。
だからといって更新を怠ると、最新版のマニュアルだと誤って運用されてしまい、重大な事故を招くおそれもあります。このためマニュアルには、簡単に更新できる仕組みが必要です。

ITを活用したナレッジシェアで課題を解決できる

士業の課題は、ITを用いたナレッジシェアを積極的に活用することで解決できます。どのようなメリットが期待できるか、3つの観点から解説します。

1 ナレッジの作成が簡単・短時間で行える


一般的なドキュメント作成ツールと異なり、ナレッジシェアに特化したツールを活用することで、業務マニュアルや手順書をガイダンスに従って簡単に作成できるうえ、テンプレート化できることも大きなメリットです。また、テキスト以外に画像や動画を活用することで、読み手の理解促進につながり、結果、業務の効率化はもちろんのことその人しか出来ない業務、属人的な業務の排除も実現できます。

2 最新版や改訂版への差し替えも簡単

法律・法令の改訂や業界動向に追随することも、ITを活用したナレッジなら更新が必要な箇所をピックアップし、修正を行うだけ。紙やメールなどで配布し直す手間やコストは不要です。変更点が少数の場合なら、すき間時間でこなせてしまうので、マニュアル作成のために大きく時間を奪われることはありません。また、作成が楽になることで、「ナレッジ作成が楽しい」と感じるスタッフも出てくることでしょう。もう法令改正のたびに、憂うつな気持ちになる必要はありません。

3 新人や未経験者でも自ら学べる環境が構築できる

ITを活用したナレッジシェアは、新人の育成や中途社員の教育に適しています。

・テキストにくわえて写真や動画の解説で、より知識の定着が速くなる
・知りたい項目に直接アクセスでき、何度でも確認できる
・多くのスタッフが同時に学ぶことができる
・他のスタッフの業務を止めることなく、自ら学ぶことができる

ナレッジシェアのツールを導入することで、入所したばかりの新人でも自分のペースで学べることは大きなメリットです。これにより他のスタッフの負担を大きく軽減でき、事務所全体の生産性向上にも寄与します。

士業に役立つナレッジを作成するポイント

士業の現場で役立つナレッジを作成するには、押さえておきたいポイントが4つあります。それぞれのポイントについて、順に確認していきましょう。

1 ナレッジの作成は、現場のスタッフを中心に行う

士業の業務は、税理士や司法書士といった有資格者ならば常識的な内容でも、一般のスタッフにとってはわからないことだらけという場合が多いです。このため有資格者が自らナレッジを作成した場合、スタッフにとってはわかりにくいものとなりかねません。

スタッフ自身がナレッジを作成することで、よりわかりやすくきめ細かいものができ、業務に役立てることができます。これは仕事をスムーズに進めることにつながり、働きやすい職場づくりにも貢献できます。

作成にあたっては「ナレッジ作成チーム」を設け、スタッフどうしで知恵を出し合うことが重要です。あらゆる業務のマニュアル化や情報の更新も担当してもらいましょう。有資格者はスキルを生かし、チェックやアドバイスなど、ナレッジの内容を正しく保つ役割を担うことがおすすめです。

2 わからない用語を調べる仕組みもあると便利

士業の仕事では、業界固有の専門用語がたくさんあります。特に新人にとっては、わからない用語だらけです。一方でその都度スタッフに尋ねてしまう時間を取られてしまうため、仕事の効率を下げてしまいます。

このため、専門用語や社内用語をナレッジとして作成、共有し、わからない用語を調べられる仕組みを用意することで、自ら疑問を解決でき、円滑な業務の遂行につながります。

3 まずは一部の業務のナレッジ化を。徐々に増やすことがおすすめ

すべての業務をナレッジ化できれば、業務の効率化に貢献できることは確かです。だからといって、一気に進めることはおすすめできません。一時的とはいえ現場の負担が増すばかりでなく、もし使い勝手の悪いナレッジができると、作り直す手間もかかります。

これを防ぐためには一部の業務をナレッジ化し、効果を確認することがおすすめです。たとえば1本作成しただけならば、修正の手間も少なくて済みます。1つの業務でナレッジ化に成功した後、他の業務へ広げても決して遅くありません。

このような進め方を行うことで「ナレッジシェアはとても便利」「ナレッジシェアが楽しい」というスタッフも増え、積極的に活用されやすくなります。

4 常にナレッジを改善する仕組みをつくり、運用する


ナレッジは作るだけでなく、常に改善する必要があります。すばやい改善で効率的な業務はもちろん、顧客に支持される高品質なサービスの提供につながり、貴所の価値を高めます。たとえばナレッジシェアツールのコメント機能を使って、従業員から現場で起こっている生の声を共有や改善事項を提案してもらい、それらを速やかにチェックし、フィードバックしていくことで、現場で使える高品質なナレッジとなります。これを繰り返していくことで利用者や提案者のナレッジ活用のモチベーションも高まり、チームのナレッジシェアがカルチャーとして根付いていきます。

ナレッジ共有ツールは、士業の情報共有と生産性の向上に欠かせない

スタッフを雇用しながら事務所を運営するケースでは、スタッフの活躍が鍵となります。ナレッジシェアツールの活用により、正しい情報をすばやく共有し、従業員自ら学べる仕組みを提供できます。これにより、新人のオンボーディングや未経験者の育成もしやすくなるでしょう。ナレッジシェアを作成する手間や時間も減らせるうえ、業務の効率化や生産性の向上を行えるメリットは、貴所の事業成長にも大きく貢献するはずです。

チームのナレッジシェアにtoaster teamを活用しよう

toaster teamはチームを強くするコラボレーションツールです。ご紹介したナレッジシェアの仕組みや業界用語・専門用語を辞書化できる機能など、士業のさまざまなオペレーションや人材育成など幅広くご活用いただけます。是非貴社の事業にご活用ください。

toaster.how

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