ノウハウ・ナレッジとは?ビジネスや現場での効果と活用方法

「ノウハウ」は、さまざまな場面で使われる言葉です。「料理のノウハウを教えて」「釣りのノウハウを習得した」など、日常的にノウハウという言葉を耳にすることは多いでしょう。ビジネスにおいても「ノウハウ」という言葉は使用されます。しかし、その意味は一般的に使われるものとはやや異なります。

そこで今回は、「ノウハウ」のビジネスにおける意味について、また混同されやすい「ナレッジ」との違いについてご紹介しましょう。

目次

ノウハウとは

まずは、ノウハウという言葉の一般的な意味について見ていきましょう。

ノウハウとは目的に対する技術や知識

一般的なノウハウの意味を、辞書では以下のように定義しています。

ノウハウ
・ある専門的な技術やその蓄積のこと。
・何かをするのに必要な(技術的)知識と技能
(weblio辞書 デジタル大辞泉・英和和英辞書より)

つまり、ノウハウという言葉は、何かをするために必要な技術や知識を指します。この意味から、料理をするための技術や知識を「料理のノウハウ」と言ったり、運転をするための技術や知識を「運転のノウハウ」と言ったりするわけです。

ノウハウの語源

ノウハウは、英語で書くと、「know-how」となります。これは「知る」という意味の「know」と「方法」という意味の「how」を合わせた言葉で、もともとは英語圏において使用されてきました。それが日本に伝わり、「ノウハウ」と日本語で表されるようになったのです。

また、ノウハウは、元来は英語表記の通り「方法を知る」という意味で使われました。しかし現在ではやや意味が変化し、技術や知識、情報そのものを指す言葉として使われています。

現在では、一般的にノウハウという言葉は浸透し、料理や家事、運転など、日常的な幅広い場面で使用されています。

ビジネスにおけるノウハウの意味とは

次に、ビジネスにおけるノウハウの意味についてご説明します。

ビジネスにおけるノウハウは産業的に役立つ技術知識

一般的に使用されるノウハウの意味とビジネスにおけるノウハウの意味は、やや異なります。
辞書と、国際商業会議所(ICC)により定められた「ノウハウ保護基準条項」による、ビジネスにおけるノウハウの定義を見てみましょう。

ビジネスにおけるノウハウ

・技術競争の有力な手段となり得る情報・経験。また、それらを秘密にしておくこと(weblio辞書デジタル大辞泉より)

・ノウハウとは、単独で又は結合して工業目的に役立つ、ある種の技術を完成し、又は、それを実際に適用するために必要な秘密の技術知識と経験又はそれらの集積をいう(国際商業会議所「ノウハウ保護基準条項」より)

これらの定義を踏まえると、ビジネスにおけるノウハウは、経験に基づき蓄積された、産業上役立つ技術的知識や情報のことだと言えるでしょう。

技術や知識を指すと言う点では一般的なノウハウとビジネスにおけるノウハウの意味と同じです。しかし、ビジネスにおけるノウハウは、産業的に有利になるものであるという点が大きく異なります。
この特徴により、ビジネスにおけるノウハウは、秘密の情報として、そして財産として扱われます。

ノウハウは営業秘密の知的財産

「知的財産にあたること」「秘密であること」も、ビジネスにおけるノウハウの大きな要素です。
ビジネスにおけるノウハウは、ビジネスの秘訣となるものです。ノウハウは、実態はなくても価値の高いものであり、ビジネスにおいては知的財産として扱われています。

また、知的財産であるノウハウは企業にとって重要な情報であり、当然営業秘密として慎重に扱われる必要があります。それらは法律で保護され、また場合によって売買されることもあります。
近年では日本でもノウハウを重要視するようになり、蓄積・活用・保護等、ノウハウの適切な扱いが模索されています。

ノウハウの具体例

ここでは、ビジネスにおけるノウハウとして扱われるものの具体例をご紹介します。

・企業のマニュアル(業務マニュアル、危機管理マニュアル、取扱いマニュアル、教育マニュアルなど)

・企業が独自で開発した新技術やテクニック(製品の生産技術、営業やマーケティング、コンサルティングのテクニックなど)

・特許取得済みの技術的知識

・その他ビジネスをうまく行うためのコツや秘訣

マニュアルや新技術などは全て、企業やその従業員がビジネスの中で培った、企業経営に役立つ技術的知識です。これらの技術的知識はそれぞれの企業において知的財産として管理され、活用されています。
ビジネスにおいて「ノウハウ」という言葉を使用する際には、上記のような対象を思い浮かべると良いでしょう。

ノウハウとナレッジの違い

近年では、ナレッジという言葉もビジネス分野でよく使用されるようになってきました。
では、ナレッジとノウハウの違いは何なのでしょうか。ここからは、混同されやすいノウハウとナレッジの違いについてご説明しましょう。

ナレッジとは

ナレッジとは、辞書では以下のように定義されます。

ナレッジ
企業などの組織にとって有益な知識・経験・事例・ノウハウなど付加価値のある情報。
(weblio辞書デジタル大辞泉より)

ナレッジは「knowledge」という英単語から派生した和製英語です。もともとの「知識」という意味に「産業・商業的に有益な」という意味を付加した形で、主にビジネス用語として使用されています。

ノウハウとナレッジの違いは経験の有無

「知識」を意味するという点では、ノウハウもナレッジも共通しています。これらの違いはどこにあるのでしょうか。

ノウハウとナレッジの大きな違いは、「経験を要するか否か」という点にあります。ノウハウは「経験を通して得ること」が必要ですが、ナレッジは必ずしも経験を必要としません。例えばナレッジは、実際に経験せずとも、本やネットから情報を得ることで手に入れられます。一方のノウハウは、実際に自分で経験しなければ得られません。

ノウハウとナレッジは、どちらも「知識」であることには変わりありません。上記のナレッジの定義にノウハウが含まれているように、経験の有無に関わらない知識全般を指す「ナレッジ」の中に、経験を通して得る「ノウハウ」があると考えれば良いでしょう。

ノウハウは暗黙知、ナレッジは型式知

ノウハウとナレッジには、暗黙知か型式知かという違いもあります。
一般的に、ノウハウは言葉や数字で表しにくい「暗黙知」にあたります。一方、ナレッジは言葉や数字で明確に表せることが多く、「型式知」にあたります。
暗黙知は他人へ伝えることが難しいことから、その共有や継承にあたっては、型式知への変換が必要になります。

近年の企業も、ノウハウを型式知化して生まれたナレッジを体系化し、それをビジネスのために共有・活用するようなりました。この経営手法はナレッジマネジメントと呼ばれ、経営におけるその重要性は高まりを見せています。

今後、企業の競争力を向上させるためには、ナレッジやノウハウの活用、つまりナレッジマネジメントが重要になるでしょう。

まとめ

ナレッジやノウハウを活用しナレッジマネジメントを成功させるためには、情報共有ツールの利用が効果的です。情報共有ツールは、組織や個人が持つナレッジおよびノウハウの共有・蓄積を円滑に行い、企業全体のレベルアップや情報の体系化をサポートします。

知的財産を有効活用し企業競争力向上を目指すなら、まずは情報共有ツールの導入を検討してみてはいかがでしょうか。

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