新規事業や企画・開発に活用|オズボーンのチェックリスト

アイデアは本来ふと浮かぶものですが、ビジネスの現場では決められた期限以内に、アイデアを生まなくてはいけないことがあります。しかし、アイデアを生み出そうと思えば思うほど良い考えが浮かばなくなるというのは、よくある問題だと言えます。

オズボーンのチェックリストは、そのような時に活用出来るアイデアの発想法です。

オズボーンのチェックリストの内容や活用方法を理解すれば、優れたアイデアを必要な時に生み出せるようになるでしょう。

目次

オズボーンのチェックリストとは

オズボーンのチェックリストは、ブレインストーミングの考案者であるA.F.オズボーン氏によって発案されました。必要なアイデアが浮かばない時に使用するアイデアの抽出手法であり、無理矢理アイデアをひねり出す多少強引な方法であるとも言えます。しかし、オズボーンのチェックリストをヒントとして、今まで思いつかなかった発想のアイデアを短時間で量産することも出来るでしょう。

オズボーンのチェックリストは、ロジカルな考え方を可能にする方法でもありますので、その方法を理解しておけばビジネス以外の場面でも役に立ちます。

オズボーンのチェックリストの9項目

アイデアのヒントとなるオズボーンのチェックリストには9つの項目があります。もちろん0から何かを生み出すアイデアも必要ですが、自由過ぎて何から考えて良いのか分からない時などには、このヒントからアイデアを考えると良いでしょう。

9つ項目は簡単な内容ばかりですので、すぐに発想を生み出せるようにチェックリストそのものを覚えておいてください。

1 転用

転用とは「他に使い道はないか?」を考えることです。

具体的には今ある商品やサービスをそのままの状態で新しい使い道はないかを考える方法と、改善、改良して新しい使い道はないかを考える方法があります。転用に成功すれば、他の市場にアプローチ出来るようになり、販路を広げることが出来るでしょう。

【転用の例】

・電球を殺菌装置として転用した。
・昔からの料理の素材である重曹を、掃除用洗剤に転用した。

2 応用

応用とは「他からアイデアが借りられないか?」という考えです。

過去に取り扱った他の商品のアイデアや他社のアイデアなどを積極的に取り入れ、今の商品に応用します。応用では、他分野の商品やサービスを参考にすることで、より希少なアイデアを生むことが出来るでしょう。

【応用の例】

・フレンチレストランに蕎麦屋の立ち食いスタイルを応用し、立ち食いフレンチを始めた。
・こうもりの超音波を応用して車間距離を察知するレーダーを作った。

3 変更

変更は「変えてみたらどうか?」という考えです。

変更する内容は商品の色・形・性能などの他にも、ターゲット層の変更などのマーケティング方法の変更も含まれます。些細な変更が、大きな変化につながる可能性もあるでしょう。

【変更の例】

・中高年向けだったエナジードリンクのターゲット層を若者に変更した。
・気軽に楽しめる趣味ではなかった登山にオシャレ・気軽さを加え「山ガール」を流行らせた。

4 拡大

拡大は「何かを加える・強くする・大きくする・長くする」など商品やサービスの拡大を多角的に考える方法です。

類似商品やサービスとの差別化がしやすくなり、顧客にも変化をアプローチしやすいアイデアだと言えます。

【拡大の例】

・夜間に閉店していた店舗を24時間営業にして深夜帯の需要に応えた。
・軽自動車の車内を広くし、今まで普通車の購入層であったファミリーでも使いやすいサイズにした。

5 縮小

縮小は「小さくする・軽くする・機能を減らす・省略する」など商品・サービスの縮小を多角的に考える方法です。

現在では多くの商品の軽量化が求められており、機能面を削ってでもシンプルな作りが好まれる傾向があります。縮小することで商品価値を高めることに成功すれば、類似商品と差別化が出来るでしょう。

【縮小の例】

・高齢者も使用しやすいように、少ない機能でシンプルな操作性を実現した年配者向けのスマートフォンを開発した。
・おひとり様需要に合わせたホテルプランを用意し、1人で利用する顧客層を増やした。

6 代用

代用では「他のもので代用出来ないか?」を考えます。

既存の原材料や工程にこだわらず、臨機応変に代用をすることで新しいアイデアを生み出します。

【代用の例】

・鉄が使用されていた自動車のフレームをアルミに代用して、軽量化に成功した。
・牛乳を豆乳で代用したお菓子を作り、食物アレルギー対策商品とした。

7 再編成

再編成は「入れ替えてみたらどうか?アレンジし直したらどうか?」という考え方です。

他のパターンや要素の入れ替えなどを行い、レイアウト・部品・順番などを再編成して発想を広げます。

【再編成の例】

・社内デスクの配置を変更し、無駄な動きをなくして作業効率を向上させた。
・スタッフにレジ対応をさせるのを変更し、食券先払い制に変更して人的コストの削減に成功した。

8 逆転

逆転は「考え方を逆に出来ないか?」というものです。

前後左右や工程を反対にし、発想を広げます。逆転のチェック項目では誰もが持っている固定概念を破り、今までにない発想が出来るようになるでしょう。

【逆転の例】

・価格を先に決定してから商品開発を始め、価格面で他者との差別化に成功した。
・動物園や水族館には昼に行くものという発想を逆転させ、ナイトサファリ・ナイトアクアリウムを始めて、夜間帯の集客に成功した。

9 統合

統合は「組み合わせてみたらどうか?」という考えです。

商品やサービスを合体させて、今までにないものを生むことが出来るでしょう。また、よくあるアイデアを2つ以上組み合わせることで、斬新なアイデアに生まれ変わることもあります。

【統合の例】

・ネット端末と携帯電話を統合させてスマートフォンを開発した。
・メモ用紙と弱い粘着性の接着剤を統合させ、ポストイットを開発した。

オズボーンのチェックリストの活用方法

オズボーンのチェックリストの内容を理解したところで、チェックリストを活用させる方法について説明しましょう。まずはアイデアの対象を設定後に、オズボーンのチェックリストに当てはめて考え、思うままにアイデアを発想していきます。チェックリストの各質問に対して思いつく限りの全てのアイデアを集めるために、アイデアが出なくなるまでは次の質問には進みません。

一つでも多くのアイデアを集めることが大切なので、アイデアを集める段階ではアイデアが現実的かどうかなどは考えないように注意してください。

単体のアイデアでは実現不可能な内容だとしても、その他のアイデアと組み合わせることで、優れたアイデアに飛躍することもあるのです。全ての質問を終えた後に集まったアイデアを精査します。

オズボーンのチェックリストを使えば、思いも寄らなかったアイデアが手に入る可能性があるでしょう。

まとめ

オズボーンのチェックリストの内容や活用方法について説明いたしました。この手法は、1人でも複数の人間でも利用することが可能です。そのため、ブレインストーミングでアイデアが生まれない時の対策として覚えておくのも良いです。また、情報共有ツールを活用すれば、リモートワーク時にも複数の人間でオズボーンのチェックリストを活用したアイデア出しが出来ます。

優れたアイデアを0から生み出すのは難しいことを理解し、アイデア抽出方法であるオズボーンのチェックリストを使いこなせるようになりましょう。

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