書類の申請・承認手続きがスピーディー!電子承認のメリットを解説

取引先の企業や別の事業所など、離れたところにいる相手と紙の書類をやり取りするには、手間とコストがかかります。印刷したり、郵送・返送したりといった付随作業が、手間とコストを肥大化させてしまっているためです。

そんな紙の書類による非効率なやり取りを改善するのが、「電子承認」という手段です。書類承認のワークフローを電子化する電子承認は多くの企業で導入され、電子承認システムの開発も進められています。そこで今回は、電子承認と電子承認システムについて、その内容や導入メリット、注意点などを詳しくご説明しましょう。

目次

電子承認とは

まずは電子承認とはどのようなものなのか見ていきましょう。

電子承認とは
書類のやり取りや承認作業を電子ベースで行うこと。書類は電子書類で、署名・捺印は電子署名や電子印鑑を用いて行う。

これまでの書類のやり取りや承認作業は、プリントアウトした紙の書類に、手書きの署名と捺印を行うという、紙ベースで行われてきました。紙ベースの書類承認作業の課題を払拭すべく、近年あらゆる企業で導入されているのが、全てを電子化した電子承認です。

電子承認では、書類承認に関する一連のワークフローを全て電子上で行います。
具体的な流れを挙げると、申請者は、作成したデータのまま電子署名や電子印鑑で署名・捺印を済ませた申請書類を、承認者へメールやシステムを通して送ります。申請書類のデータを受け取った承認者は、同じくデータのまま電子署名や電子印鑑で署名・捺印などの承認作業を済まし、必要に応じて承認の通知を行えば、一連の承認フローは完了です。

電子承認なら、郵送を用いた紙ベースのやり取りと異なり、早ければ数分で承認フローが完了するでしょう。

これまでの申請・承認フローの課題点

これまでの紙ベースの書類による申請・承認フローには、多くの課題が見られます。申請者側・承認者側それぞれの面における課題を挙げてみましょう。

書類申請者側の課題

紙ベースの書類のやり取りにおいて、申請者側には以下のような課題があります。

・手書きでの署名や捺印のため、書類のプリントアウトが必要(電子書類でも)
・郵送の場合、相手に届くまでに時間がかかる
・郵送コストがかかる
・スキャニングによるデータ化が必要
・紙の書類を保管しなければならない

手書きでの署名・捺印が必要になる場合、電子書類でもプリントアウトが必要になり、手間とコストが嵩みます。これでは、電子書類のメリットを生かせません。
また、郵送にも手間とコスト、時間がかかり、スムーズな書類のやり取りができません。郵送中に重要書類が紛失してしまう可能性もあります。
他にも、スキャニングや書類保管といった管理作業も必要になり、これらの作業とコストは従業員と企業の負担になります。

書類承認者側の課題

紙ベースの書類のやり取りにおいては、承認者側にも以下のような課題があります。

・書類の現物および印鑑が手元になければ承認ができない
・郵送の場合、返送に時間がかかる
・スキャニングや書類保管

書類の現物がなければ承認手続きを行えない点は、書類を承認する側にとって大きな課題となります。特に、リモートワークが増えている近年では、承認手続きをできる場所が限定されてしまうことはデメリットです。

また、郵送でのやり取りは返送にも時間がかかる他、申請者側同様に承認者側にも、書類管理のコストと手間が必要になります。

電子承認システムを導入するメリット

電子承認システムは、電子承認をスムーズにするワークフローシステムのひとつです。電子承認システムの導入にはいくつかのメリットがあり、業務の効率化やコスト削減が叫ばれる昨今のビジネスにおいて、これらのメリットは有益なものとなるでしょう。
ここでは、電子承認システム導入におけるメリットを3つご紹介します。

メリット1 承認手続きのワークフローが効率化される

作成した書類をプリントアウトして郵送する紙ベースでの書類のやり取りには、時間と手間がかかります。郵送した書類を返送する一連の流れにより、確認して捺印するだけの作業に数日を要することもあるでしょう。これはあまりにも非効率的です。

電子承認システムを利用すれば、このような非効率は解消されます。今まで紙で行っていたやり取りがシステム上のデータとしてリアルタイムでやり取りできるようになるためです。もちろん、郵送の手間はかかりません。

書類の共有や確認、承認といった承認手続きのワークフローをスピーディーに進められることは、自社にとっても相手側の会社にとってもメリットになるでしょう。

メリット2 本人性・非改ざん性を証明でき、電子承認に伴うリスクを軽減できる

電子承認は業務効率化に有効ですが、不正リスクには注意しなければなりません。
偽造やなりすましのリスクを伴う電子印鑑や電子承認、電子書類には、第三者によるものでないという「本人性」や改ざんされたものではないという「非改ざん性」の証明が必要です。これらを証明するためのセキュリティシステムを自社で開発するには、時間とコストがかかるでしょう。

電子承認システムには、あらかじめ本人性や非改ざん性を証明する高いセキュリティ機能が備わっています。よって、電子承認システムを導入すれば、企業は電子承認を行えるだけでなく、電子承認に対するセキュリティも得ることができます。
スムーズで安全に電子承認化を進められるという点でも、電子承認システムの導入はメリットとなります。

メリット3 印刷・書類保管の手間とコストが軽減される

紙による書類のやりとりは、書類の印刷に手間とコストがかかります。しかし、電子承認システムを導入すれば、書類のやり取りはデータで行われるため、この手間とコストを削減することが可能です。

また、紙の書類には保管場所が必要になります。保管場所を確保し、その整理を行うにも、手間とコストはかかるでしょう。電子承認システムによってデータで書類管理を行えば、書類保管の場所は不要になります。検索をかけるだけで必要な書類を見られるので、膨大な書類の中から手作業で見たい書類を探す必要はなく、利便性も向上するでしょう。

電子承認システムを導入する際の注意点

電子承認システムの導入は企業に大きなメリットをもたらします。しかし、システム導入にあたっては、デメリットにもなり得る以下のような注意点に気をつけておく必要があります。

電子承認システムの活用には取引先の同意が必要

自社で電子承認システムを導入したとしても、取引先の企業がそれに対応してくれるとは限りません。企業の中には、契約や承認を電子で行うことを嫌ったり不安に思ったりして、電子承認による契約を拒否する場合もあるでしょう。

取引先の企業に対して電子承認を強制することはできません。よって、電子承認を拒否する企業については、従来通りの紙ベースによるやり取りを行うことになります。
電子承認システムを活用するには取引先企業の同意が必須であること、また場合によっては紙ベースの対応が必要であることを押さえておきましょう。

電子承認システムの導入にはコストがかかる

電子承認システムを導入するには、導入コストと運用コストがかかります。システムを自社開発する場合と比べると、既存システムの導入・運用コストは低くなりますが、それでも継続的にシステムを利用していくにはそれなりの費用が必要です。

電子承認システムは多くの企業からリリースされており、各システムによって導入・運用コストには幅があります。よって、導入時には各システムの費用と機能を比較し、予算との兼ね合いを見ながらシステム選定を行いましょう。

まとめ

電子承認は、業務を効率的に進めるにあたって有効な手段です。今後のビジネスではさらにペーパーレス化が進み、電子承認は一般的なものになっていくでしょう。
また、電子承認を開始するなら、電子承認システムの導入が導入スピードやセキュリティ、コストの面でおすすめです。ただし、各システムによってコストや機能は異なるため、導入システムの選定は慎重に行うようにしましょう。

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